ITストラテジスト試験 2012年 午前213


将来の科学技術の進歩の予測などについて、専門家などに対するアンケートを実施し、その結果をその都度回答者にフィードバックすることによって、ばらばらの予測を図のように収束させる方法はどれか。
問題画像
ゴードン法
デルファイ法(正解)
ミニマックス法
モンテカルロ法

解説

将来の科学技術の進歩の予測に関するアンケート結果の収束方法【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:専門家の意見を複数回収集し、結果を逐次フィードバックして意見を収束させる方法は「デルファイ法」です。
  • 根拠:デルファイ法は匿名の専門家に複数回アンケートを行い、集計結果を参加者に返すことで意見のばらつきを減らし合意形成を促します。
  • 差がつくポイント:単なる統計的手法やシミュレーションではなく、専門家の意見交換を繰り返しながら合意を形成する点が特徴です。

正解の理由

選択肢の中で、複数回のアンケートを実施し、その結果を回答者にフィードバックして意見を収束させる方法はイ: デルファイ法です。デルファイ法は未来予測や技術動向の評価に用いられ、専門家の意見のばらつきを段階的に減らすことで信頼性の高い予測を得ることができます。図のようにアンケート結果の分布が回を追うごとに狭まり、中央値が安定している様子はデルファイ法の典型的な特徴です。

よくある誤解

デルファイ法は単なる統計的集計やシミュレーションではなく、専門家の意見交換を匿名で繰り返すプロセスである点を誤解しやすいです。

解法ステップ

  1. 問題文から「複数回のアンケート」と「結果のフィードバックによる収束」を確認する。
  2. 選択肢の特徴を整理し、アンケートを繰り返す手法を探す。
  3. デルファイ法が専門家の意見を匿名で収集し、フィードバックを繰り返す方法であることを理解する。
  4. 他の選択肢(ゴードン法、ミニマックス法、モンテカルロ法)が該当しないことを確認する。
  5. イ: デルファイ法を正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ゴードン法
    主に投資評価や意思決定に使われる割引配当モデルであり、アンケートや意見収束とは無関係です。
  • イ: デルファイ法
    専門家の意見を複数回収集し、結果をフィードバックして意見を収束させる方法で正解です。
  • ウ: ミニマックス法
    ゲーム理論で使われる戦略決定法であり、アンケートや未来予測の収束手法ではありません。
  • エ: モンテカルロ法
    確率的シミュレーション手法であり、専門家の意見収束には用いられません。

補足コラム

デルファイ法は1940年代にアメリカのランド研究所で開発され、未来予測や政策決定、技術評価など幅広い分野で活用されています。匿名性を保つことで専門家間の影響を排除し、公平な意見集約が可能です。

FAQ

Q: デルファイ法はなぜ匿名で行うのですか?
A: 専門家同士の影響や権威による偏りを防ぎ、公平な意見収集を実現するためです。
Q: モンテカルロ法とデルファイ法の違いは何ですか?
A: モンテカルロ法は乱数を用いたシミュレーション手法で、デルファイ法は専門家の意見を繰り返し収集し合意形成を目指す方法です。

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