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ITストラテジスト試験 2012年 午前2 問17
製品のロードマップに従って製品を開発していく場合に、プロダクトライン開発を適用する利点はどれか。
:製品のロードマップに従って製品を開発していく場合に、プロダクトライン開発を適用する利点はどれか。
ア:技術者個人の力を組織力よりも重視するので、成熟度の低い組織でも製品開発に成功しやすい。
イ:品質が安定した資産を再利用していくので、品質が安定した製品を低いコストで開発できる。(正解)
ウ:ロードマップ上の各製品を完全に独立して開発していくので、一つの製品の不具合が他の製品に波及することがない。
エ:ロードマップ上の最初の機種の開発開始時に、ソフトウェア資産を準備するなどの初期投資が不要なので、市場への新規参入が容易になる。
解説
製品のロードマップに従って製品を開発していく場合に、プロダクトライン開発を適用する利点はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:プロダクトライン開発は品質が安定した資産を再利用し、低コストで高品質な製品開発を可能にします。
- 根拠:共通のソフトウェア資産やコンポーネントを使い回すことで、開発効率と品質の向上が期待できるためです。
- 差がつくポイント:初期投資や個別製品の独立性ではなく、資産の再利用によるコスト削減と品質安定が最大の利点である点を理解しましょう。
正解の理由
イは、プロダクトライン開発の本質を正確に表しています。プロダクトライン開発では、共通のソフトウェア資産(コアアセット)を複数製品で再利用するため、品質が安定しやすく、開発コストも抑えられます。これにより、製品ごとに一から開発するよりも効率的かつ高品質な製品群を提供可能です。
よくある誤解
プロダクトライン開発は個々の製品を完全に独立して開発するわけではなく、共通資産の活用が前提です。また、初期投資はむしろ必要であり、技術者個人の力よりも組織的な資産管理が重要です。
解法ステップ
- プロダクトライン開発の定義を確認する(共通資産の再利用による製品群開発)。
- 選択肢の内容がこの定義に合致しているかを検討する。
- 「品質の安定」「低コスト」「資産の再利用」というキーワードに注目する。
- 初期投資の有無や個人の力重視など、誤った特徴を含む選択肢を除外する。
- 最も適切な選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 技術者個人の力を重視するのはプロダクトライン開発の特徴ではなく、むしろ組織的な資産管理が重要です。
- イ: 正解。共通資産の再利用により品質安定とコスト削減が可能です。
- ウ: 製品を完全に独立して開発するのはプロダクトライン開発の考え方に反し、共通資産の活用が前提です。
- エ: 初期投資は必要であり、最初の機種開発時に資産準備を行うため市場への新規参入が容易になるとは限りません。
補足コラム
プロダクトライン開発は、ソフトウェア製品群の共通部分を「コアアセット」として整備し、製品ごとの差分を効率的に開発する手法です。これにより、製品の多様化に対応しつつ品質とコストのバランスを最適化できます。初期段階での資産整備が重要であり、長期的な視点での投資効果が期待されます。
FAQ
Q: プロダクトライン開発は初期投資が不要ですか?
A: いいえ、共通資産の整備には初期投資が必要であり、これが後の開発効率向上に繋がります。
A: いいえ、共通資産の整備には初期投資が必要であり、これが後の開発効率向上に繋がります。
Q: 個々の製品は完全に独立して開発されますか?
A: いいえ、共通の資産を再利用しながら製品ごとの差分を開発するため、完全独立ではありません。
A: いいえ、共通の資産を再利用しながら製品ごとの差分を開発するため、完全独立ではありません。
Q: プロダクトライン開発はどのような組織に向いていますか?
A: 複数製品を継続的に開発・提供する組織で、資産管理や品質向上を重視する場合に適しています。
A: 複数製品を継続的に開発・提供する組織で、資産管理や品質向上を重視する場合に適しています。
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