ITストラテジスト試験 2012年 午前224


次の資料を基に、A社の連結損益計算書を作成した場合の連結売上高は何百万円か。 ・A社は,B社の株式の80%を取得している。 ・B社は,C社の株式の60%を取得している。 ・B社は、D社の株式の20%を取得している。ただし、役員の派遣などはない。 ・A社の売上高は、700,000百万円であり、その10%は、B社に対するものである。 ・B社の売上高は、350,000百万円であり、その20%は、D社に対するものである。 ・C社の売上高は、250,000百万円である。 ・D社の売上高は、200,000百万円である。 ・A社とB社,B社とD社以外の相互間取引はない。
1430000
1360000
1230000(正解)
1300000

解説

A社の連結損益計算書における連結売上高の計算【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:連結売上高は親会社と子会社の売上高合計から内部取引を控除し、1,230,000百万円となる。
  • 根拠:A社がB社80%、B社がC社60%を支配し、D社は非支配株主持分が大きいため連結対象外。内部取引は親子間のみ控除。
  • 差がつくポイント:連結範囲の正確な把握と内部取引の除去、非支配株主持分の影響を理解しているかが合否を分ける。

正解の理由

連結売上高は、連結範囲内の企業の売上高合計から、連結グループ内の内部取引を差し引いて算出します。
  • A社はB社の80%を支配し、B社はC社の60%を支配しているため、A社の連結範囲はA社、B社、C社です。
  • D社はB社の20%保有であり、支配関係がないため連結対象外です。
  • 内部取引は、A社とB社間、B社とD社間のみ存在し、B社とD社間は連結対象外のため控除不要。
  • A社の売上高700,000百万円のうち10%(70,000百万円)がB社向け、B社の売上高350,000百万円のうち20%(70,000百万円)がD社向け。
  • 内部取引控除はA社とB社間の70,000百万円のみ。
  • よって、連結売上高は700,000 + 350,000 + 250,000 − 70,000 = 1,230,000百万円となり、選択肢アが正解です。

よくある誤解

連結範囲にD社を含めてしまう誤りや、B社とD社間の取引を控除対象と誤認することが多いです。
また、内部取引の控除漏れや二重控除も注意が必要です。

解法ステップ

  1. 連結範囲の確認:A社→B社(80%)、B社→C社(60%)は連結対象、D社は20%保有で非支配。
  2. 各社の売上高合計:A社700,000 + B社350,000 + C社250,000 = 1,300,000百万円。
  3. 内部取引の特定:A社→B社間売上70,000百万円(700,000の10%)。B社→D社間は連結外のため控除不要。
  4. 内部取引控除:1,300,000 − 70,000 = 1,230,000百万円。
  5. 答えを選択肢から選ぶ:アの1,230,000百万円。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。連結範囲と内部取引控除を正しく適用。
  • イ: 1,300,000百万円。内部取引控除を忘れている。
  • ウ: 1,360,000百万円。D社の売上を誤って連結範囲に含めている可能性が高い。
  • エ: 1,430,000百万円。内部取引控除も連結範囲も誤り、過大計上している。

補足コラム

連結売上高の計算では、親会社が支配する子会社の範囲を正確に把握することが重要です。
支配の基準は議決権の過半数保有が基本ですが、実質的支配も考慮されます。
また、内部取引の控除は連結グループ内の取引に限定され、非支配株主持分の影響は損益計算書の純利益配分で扱います。

FAQ

Q: なぜD社は連結対象外なのですか?
A: B社のD社株式保有率は20%であり、支配権がないため連結対象外となります。
Q: 内部取引控除はどの範囲で行うべきですか?
A: 連結グループ内の親子間や子会社間の取引に限定し、非連結会社との取引は控除しません。
Q: 連結売上高に非支配株主持分は影響しますか?
A: 非支配株主持分は純利益の配分に影響しますが、売上高の連結計算には影響しません。

関連キーワード: 連結売上高, 内部取引控除, 連結範囲, 支配株主持分, 連結損益計算書
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