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ITストラテジスト試験 2012年 午前2 問25
製造物責任法(PL法)において、免責と規定されているものはどれか。
ア:製造物の欠陥の原因となった製造過程における過失を被害者が証明できない場合
ウ:製造物を引き渡した時点から5年を過ぎて事故が発生した場合
エ:製造物を引き渡した時点の科学又は技術では欠陥を認識できなかった場合(正解)
イ:製造物を海外から輸入して国内で販売している場合
解説
製造物責任法(PL法)において、免責と規定されているものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:PL法で免責されるのは「引き渡し時点で欠陥を認識できなかった場合」である。
- 根拠:PL法は製造物の欠陥による損害賠償責任を定めるが、科学技術の限界による欠陥は免責される。
- 差がつくポイント:過失の有無や輸入品の扱い、時効ではなく「認識可能性」が免責の鍵となる点を押さえること。
正解の理由
製造物責任法は製造物の欠陥による損害について製造者の無過失責任を定めていますが、科学技術の水準で欠陥を認識できなかった場合は免責されます。これは製造者に過度な負担を課さないための合理的な例外規定です。選択肢エはこの「認識できなかった場合」に該当し、免責と規定されています。
よくある誤解
「過失がなければ免責」と誤解しがちですが、PL法は無過失責任であり過失の有無は免責理由になりません。また、輸入品や時効の問題は別の法律や規定で扱われます。
解法ステップ
- PL法の基本的な責任形態が無過失責任であることを確認する。
- 免責規定の内容を理解し、「科学技術の限界による欠陥認識不能」が免責の代表例であることを押さえる。
- 各選択肢を「免責規定に該当するか」で検討する。
- 過失証明の有無や輸入品の扱い、時効は免責理由にならないことを確認する。
- 「引き渡し時点で欠陥を認識できなかった場合(エ)」が免責に該当するため正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 過失の証明はPL法の責任成立に不要であり、被害者が過失を証明できないことは免責理由にならない。
- イ: 輸入製造物の販売は責任の対象となるが、免責規定とは別問題である。
- ウ: 引き渡しから5年経過は時効の問題であり、免責規定ではない。
- エ: 引き渡し時点で科学技術の水準で欠陥を認識できなかった場合は免責されるため正解。
補足コラム
PL法は製造物の欠陥による被害者保護を目的とし、製造者の無過失責任を定めています。しかし、科学技術の限界を考慮し、欠陥の認識が不可能な場合は免責されることで製造者の過度な負担を防いでいます。この免責規定は「認識可能性の基準」と呼ばれ、判例でも重要視されています。
FAQ
Q: PL法で過失がなくても責任を負うのはなぜですか?
A: PL法は無過失責任制度であり、製造物の欠陥による損害は過失の有無にかかわらず製造者が責任を負います。
A: PL法は無過失責任制度であり、製造物の欠陥による損害は過失の有無にかかわらず製造者が責任を負います。
Q: 輸入品の製造者責任はどうなりますか?
A: 輸入品もPL法の対象であり、輸入者や販売者が責任を負う場合がありますが、免責規定とは別の問題です。
A: 輸入品もPL法の対象であり、輸入者や販売者が責任を負う場合がありますが、免責規定とは別の問題です。
Q: 時効はPL法の免責理由になりますか?
A: 時効は損害賠償請求権の消滅に関する規定であり、免責規定とは異なります。
A: 時効は損害賠償請求権の消滅に関する規定であり、免責規定とは異なります。
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