ホーム > ITストラテジスト試験 > 2013年
ITストラテジスト試験 2013年 午前2 問07
市場成長率と相対的市場シェアから、市場と企業の関係を分析し、自社製品や事業についての最適な資源配分方針を求めるための手法はどれか。
イ:BSC
ア:3C
ウ:PPM(正解)
エ:SWOT
解説
市場成長率と相対的市場シェアから資源配分を分析する手法は?【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:市場成長率と相対的市場シェアを用いて資源配分を分析する手法は「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」です。
- 根拠:PPMは市場の成長性と自社の市場シェアを軸に事業を分類し、投資や撤退の判断を支援します。
- 差がつくポイント:3CやSWOTは環境分析、BSCは業績評価の枠組みであり、資源配分の具体的な指針を示すのはPPMだけです。
正解の理由
PPMは「市場成長率」と「相対的市場シェア」の2軸で事業や製品を「花形」「金のなる木」「問題児」「負け犬」に分類します。これにより、どの事業に資源を集中し、どの事業から撤退すべきかを明確に判断できるため、資源配分の最適化に最適な手法です。
よくある誤解
3CやSWOTは市場や環境の分析に使いますが、具体的な資源配分の指針を示すものではありません。BSCは業績評価の枠組みであり、資源配分の分析手法とは異なります。
解法ステップ
- 問題文のキーワード「市場成長率」「相対的市場シェア」を確認する。
- それらの指標を用いる代表的な分析手法を思い出す。
- 3C、BSC、SWOTの特徴と比較し、資源配分に直結する手法を選ぶ。
- PPMが市場成長率と市場シェアを軸に資源配分を分析する手法であることを確認する。
- 選択肢の中からウ: PPMを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 3C
3Cは「顧客(Customer)」「競合(Competitor)」「自社(Company)」の3つの視点から環境分析を行う手法で、資源配分の具体的な指針は示しません。 - イ: BSC
バランス・スコアカードは財務・顧客・業務プロセス・学習成長の4つの視点で業績評価を行う枠組みであり、市場成長率や市場シェアを用いません。 - ウ: PPM
市場成長率と相対的市場シェアを軸に事業を分類し、資源配分の最適化を図る手法で正解です。 - エ: SWOT
SWOTは強み・弱み・機会・脅威を分析するフレームワークで、資源配分の具体的な判断基準にはなりません。
補足コラム
PPMはボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が提唱した手法で、事業ポートフォリオのバランスを視覚的に把握しやすいのが特徴です。市場成長率が高く市場シェアも高い「花形」は積極投資、成長率は低いがシェアが高い「金のなる木」は収益源として維持、成長率は高いがシェアが低い「問題児」は投資判断が分かれ、成長率もシェアも低い「負け犬」は撤退候補とされます。
FAQ
Q: PPMの「相対的市場シェア」とは何ですか?
A: 自社の市場シェアを最大の競合他社の市場シェアで割った比率で、自社の競争力を示します。
A: 自社の市場シェアを最大の競合他社の市場シェアで割った比率で、自社の競争力を示します。
Q: 3C分析はどのような場面で使いますか?
A: 市場環境や競合状況を把握し、戦略立案の基礎情報を得るために使います。
A: 市場環境や競合状況を把握し、戦略立案の基礎情報を得るために使います。
関連キーワード: PPM, 資源配分, 市場成長率, 相対的市場シェア, 事業分析, ボストン・コンサルティング・グループ, 事業ポートフォリオ