ITストラテジスト試験 2013年 午前223


X社では、(1)~(4)に示す算定方式で在庫補充量を決定している。第週の週末時点での在庫量をB[n]第週の販売量をC[n]としたとき、第れ週の週末に発注する在庫補充量の算出式はどれか。ここで、nは3以上とする。
〔在庫補充量の算定方式〕 (1)週末ごとに在庫補充量を算出し、発注を行う。在庫は翌週の月曜日に補充される。 (2)在庫補充量は、翌週の販売予測量から現在の在庫量を引き、安全在庫量を加えて算出する。 (3)翌週の販売予測量は、先週の販売量と今週の販売量の平均値とする。 (4)安全在庫量は、翌週の販売予測量の10%とする。
C[n2]+C[n1]2+C[n]×0.1B[n]\frac{C[n-2] + C[n-1]}{2} + C[n] \times 0.1 - B[n]
C[n1]+C[n]2×1.1B[n]\frac{C[n-1] + C[n]}{2} \times 1.1 - B[n](正解)
C[n1]+C[n]2×1.1B[n1]\frac{C[n-1] + C[n]}{2} \times 1.1 - B[n-1]
C[n1]+C[n]2+C[n]×0.1B[n]\frac{C[n-1] + C[n]}{2} + C[n] \times 0.1 - B[n]

解説

在庫補充量の算定方式に関する問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:正しい在庫補充量は「翌週の販売予測量×1.1(安全在庫含む)-現在の在庫量」で算出する。
  • 根拠:販売予測は直近2週の販売量平均、在庫は週末時点の現状在庫を基に計算するため。
  • 差がつくポイント:在庫量の基準週と販売予測の期間設定を正確に理解し、式の各要素の意味を混同しないこと。

正解の理由

選択肢アは、翌週の販売予測量を「(C[n-1] + C[n]) / 2」とし、これに安全在庫10%を加えた「×1.1」を掛けています。さらに、現在の在庫量B[n](第n週の週末時点)を差し引くことで、翌週の補充量を正確に算出しています。
問題文の条件(1)~(4)に完全に合致しており、在庫補充量の算定方式の要件を満たす唯一の選択肢です。

よくある誤解

在庫量の基準を「前週の在庫量」と誤解しやすい点や、販売予測に過去2週のデータを使うことを忘れて「今週と先週の販売量の平均」と混同することが多いです。

解法ステップ

  1. 翌週の販売予測量を計算する:直近2週の販売量の平均値を求める。
  2. 安全在庫量を計算する:販売予測量の10%を加える。
  3. 現在の在庫量を確認する:第n週の週末時点の在庫B[n]を使用。
  4. 補充量を算出する:販売予測量×1.1(安全在庫含む)から現在の在庫量を差し引く。
  5. 式に当てはめて選択肢を比較し、条件に合致するものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。翌週の販売予測量に安全在庫を加え、現在の在庫量を差し引いている。
  • イ: 在庫量をB[n-1](前週の在庫量)としているため、現在の正確な在庫量を反映していない。
  • ウ: 販売予測量の計算が誤り。安全在庫を「C[n]×0.1」としており、販売予測量の10%ではない。
  • エ: 販売予測量の期間が「C[n-2]とC[n-1]」であり、最新の販売量C[n]を含めていないため誤り。

補足コラム

在庫管理における「安全在庫」は、需要変動や納期遅延に備えるための余裕在庫です。販売予測の精度向上と安全在庫の適切な設定は、欠品リスクの低減と過剰在庫の防止に直結します。今回の問題は、基本的な在庫補充量の計算式を理解する良い例です。

FAQ

Q: なぜ安全在庫は販売予測量の10%とするのですか?
A: 需要の変動や納期遅延に対応するため、販売予測量の一定割合を安全在庫として確保するのが一般的な手法です。
Q: 在庫量はなぜ週末時点のB[n]を使うのですか?
A: 発注は週末に行い、翌週の月曜日に補充されるため、最新の在庫状況を反映するために週末時点の在庫量を基準とします。

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