ITストラテジスト試験 2014年 午前215


カーブアウトの説明として、適切なものはどれか。
企業の経営者などが自社の株式や事業部門を買収すること
競争相手に知られたくない技術を、特許取得せずノウハウとして社内に秘匿すること
製造委託契約を締結し、外部から完成品を調達すること
自社の事業の一部を戦略的に切り出し、埋もれた技術や人材を社外の別組織として独立させること(正解)

解説

カーブアウトの説明として、適切なものはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:カーブアウトとは、自社の一部事業を切り出して独立した組織にする手法です。
  • 根拠:企業の戦略的再編や資源の最適活用を目的に、埋もれた技術や人材を活かすために用いられます。
  • 差がつくポイント:カーブアウトは単なる買収や外注ではなく、内部資源の独立化に焦点がある点を理解しましょう。

正解の理由

選択肢ウは「自社の事業の一部を戦略的に切り出し、埋もれた技術や人材を社外の別組織として独立させること」とあり、カーブアウトの定義に合致します。これは企業が持つ特定の事業部門や技術を分離し、独立採算の組織として運営することで、経営資源の効率化や新規事業創出を狙う手法です。

よくある誤解

カーブアウトを単なる買収や外注と混同しやすいですが、買収は他社の株式取得、外注は製造委託であり、カーブアウトは自社内の事業分割です。

解法ステップ

  1. 問題文の「カーブアウト」の意味を確認する。
  2. 選択肢の内容を「事業の切り出し」「独立組織化」の観点で比較する。
  3. 「買収」「ノウハウ秘匿」「製造委託」との違いを明確にする。
  4. カーブアウトの定義に最も合致する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 企業の経営者が自社株や事業部門を買収するのはMBO(マネジメント・バイアウト)であり、カーブアウトとは異なります。
  • イ: 技術を特許化せずノウハウとして秘匿するのは「営業秘密管理」で、カーブアウトの説明ではありません。
  • ウ: 自社の事業の一部を切り出し独立組織にする点がカーブアウトの本質です。
  • エ: 製造委託契約は外部調達の一形態であり、事業の切り出しや独立とは関係ありません。

補足コラム

カーブアウトはM&Aの一種とも言えますが、売却ではなく自社内の事業分割に重点があります。これにより、独立した組織が市場での競争力を高めたり、資金調達を容易にしたりするメリットがあります。近年はIT企業の事業再編でも注目されています。

FAQ

Q: カーブアウトとスピンオフの違いは何ですか?
A: スピンオフは事業部門を完全に分離して新会社を設立し、株式を既存株主に分配する手法で、カーブアウトはより広義に事業の切り出しを指します。
Q: カーブアウトはなぜ行われるのですか?
A: 埋もれた技術や人材を活用しやすくし、経営資源の効率化や新規事業の成長を促すために行われます。

関連キーワード: カーブアウト, 事業再編, MBO, スピンオフ, 営業秘密管理
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