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ITストラテジスト試験 2014年 午前2 問22
ROE(Return On Equity)を減少させるものはどれか。
エ:当期純利益率の増加
ア:ROAの増加
イ:自己資本比率の増加(正解)
ウ:総資本回転率の増加
解説
ROE(Return On Equity)を減少させるものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ROEを減少させるのは自己資本比率の増加です。
- 根拠:ROEは当期純利益を自己資本で割った指標で、自己資本が増えると分母が大きくなりROEが低下します。
- 差がつくポイント:ROEの構成要素を理解し、自己資本比率の増加が必ずしも利益増加に直結しない点を押さえることが重要です。
正解の理由
ROEは「当期純利益 ÷ 自己資本」で計算されます。自己資本比率が増加すると、自己資本の額が大きくなるため、分母が増えROEは低下します。つまり、自己資本比率の増加はROEを減少させる要因となります。
一方、ROAの増加や総資本回転率の増加、当期純利益率の増加は利益や資本効率の向上を意味し、ROEを高める方向に働きます。
一方、ROAの増加や総資本回転率の増加、当期純利益率の増加は利益や資本効率の向上を意味し、ROEを高める方向に働きます。
よくある誤解
自己資本比率が高いほど企業の安全性が高いと考えがちですが、ROEの観点では自己資本が増えると利益に対する効率が下がることがあります。
解法ステップ
- ROEの定義を確認する(ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本)。
- 各選択肢がROEの分子(利益)または分母(自己資本)にどう影響するかを考える。
- 自己資本比率の増加は自己資本の増加を意味し、分母が大きくなるためROEは減少する。
- 他の選択肢は利益や資本効率の向上を示し、ROEを増加させる。
- よって、ROEを減少させるのは「イ」の自己資本比率の増加。
選択肢別の誤答解説
- ア: ROAの増加は総資産に対する利益率の向上であり、ROEも高まるため誤り。
- イ: 自己資本比率の増加は自己資本が増え分母が大きくなるためROEを減少させる。
- ウ: 総資本回転率の増加は資産の効率的運用を示し、ROEを高めるため誤り。
- エ: 当期純利益率の増加は利益の増加を意味し、ROEを増加させるため誤り。
補足コラム
ROEは企業の収益性を示す重要な指標であり、株主資本に対してどれだけ効率的に利益を上げているかを表します。自己資本比率が高い企業は財務の安定性が高い一方で、レバレッジ効果が薄れROEが低下することがあります。経営判断ではROEと自己資本比率のバランスを考慮することが重要です。
FAQ
Q: ROEが高いことは常に良いことですか?
A: 一般的には良い指標ですが、過度なレバレッジでROEを高めている場合はリスクも高まるため注意が必要です。
A: 一般的には良い指標ですが、過度なレバレッジでROEを高めている場合はリスクも高まるため注意が必要です。
Q: 自己資本比率が高いとROEが低くなるのはなぜですか?
A: 自己資本比率が高いと自己資本の額が増え、ROEの分母が大きくなるため、同じ利益でもROEは低くなります。
A: 自己資本比率が高いと自己資本の額が増え、ROEの分母が大きくなるため、同じ利益でもROEは低くなります。
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