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ITストラテジスト試験 2015年 午前2 問05
IT投資案件Xの5年間の投資効果をNPVで評価する場合の算出式はどれか。

イ:
ウ:(正解)
エ:
ア:
解説
IT投資案件Xの5年間の投資効果をNPVで評価する場合の算出式【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:NPVは各年のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算し合計する計算式で評価する。
- 根拠:割引率は1+rの累乗で割るため、割引率そのものを分母に使うのは誤り。
- 差がつくポイント:割引率の扱い方とキャッシュフローの年次対応を正確に理解しているかが合否を分ける。
正解の理由
NPV(正味現在価値)は、初期投資を含む各年のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算し合計したものです。割引率の場合、各年のキャッシュフローはで割り引きます。
選択肢ウは、初期投資の-200をそのまま置き、1年目から5年目までのキャッシュインをそれぞれで割り引いており、NPVの定義に完全に合致しています。
選択肢ウは、初期投資の-200をそのまま置き、1年目から5年目までのキャッシュインをそれぞれで割り引いており、NPVの定義に完全に合致しています。
よくある誤解
割引率をそのまま分母に使う(例:0.025や0.025の累乗)と誤解しやすいですが、正しくは1+割引率の累乗で割り引きます。
また、キャッシュフローの年次と割引率の累乗の対応を逆にするミスも多いです。
また、キャッシュフローの年次と割引率の累乗の対応を逆にするミスも多いです。
解法ステップ
- 割引率を小数で表し、とする。
- 初期投資(年0)のキャッシュアウトは割引不要でそのままマイナス値を置く。
- 各年のキャッシュインを年数に応じてで割り引く。
- 割引後のキャッシュフローをすべて合計する。
- 合計値がNPVとなり、投資効果の評価に用いる。
選択肢別の誤答解説
- ア: 割引率0.025をそのまま分母に使い、累乗も割引率の累乗で割っているため割引計算が誤り。
- イ: 割引率の累乗の順序が逆で、5年目のキャッシュインに1年目の割引率を適用している。
- ウ: 正解。割引率をの累乗で割り引き、年次に対応した正しいNPV計算式。
- エ: 割引率の累乗の順序が逆で、5年目のキャッシュインに1年目の割引率を適用している。
補足コラム
NPVは投資判断の基本指標で、将来のキャッシュフローを現在価値に換算し、初期投資を差し引いた値です。割引率は資本コストや期待収益率を反映し、時間価値を考慮します。割引率の扱いを誤ると投資判断を誤るため、正確な理解が不可欠です。
FAQ
Q: 割引率はなぜの累乗で割るのですか?
A: 割引率は年率で、将来の1円の価値を現在価値に換算するためにの累乗で割り引きます。
A: 割引率は年率で、将来の1円の価値を現在価値に換算するためにの累乗で割り引きます。
Q: 初期投資のキャッシュアウトは割引く必要がありますか?
A: 初期投資は投資開始時点(年0)なので割引不要で、そのままマイナス値として扱います。
A: 初期投資は投資開始時点(年0)なので割引不要で、そのままマイナス値として扱います。
Q: 割引率が高いほどNPVはどうなりますか?
A: 割引率が高いほど将来のキャッシュフローの現在価値は小さくなり、NPVは低下します。
A: 割引率が高いほど将来のキャッシュフローの現在価値は小さくなり、NPVは低下します。
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