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ITストラテジスト試験 2015年 午前2 問18
e-ビジネス分野で提唱されているロングテールの考え方を説明したものはどれか。
ウ:全体の2割の優良顧客が全体の売上の8割を占め、全商品の上位2割が8割の売上を占める。
エ:利用者が増えるほど、個々の利用者の便益が増加し、その結果.ますます利用者が増えることで邊占化が進む。
ア:売れ筋商品に絞り込んで販売するのではなく、多品種少量販売によって大きな売上や利益を得ることができる。(正解)
イ:業界標準を確立した製品・サービスは生産規模が2倍になると生産性が更に向上し、収益が2倍以上になる。
解説
e-ビジネス分野で提唱されているロングテールの考え方【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ロングテールとは、多品種少量販売で売れ筋以外の商品も含めて大きな売上を狙う戦略です。
- 根拠:インターネットやデジタル流通の普及により、在庫コストや流通制約が減少し、多様な商品を扱いやすくなったためです。
- 差がつくポイント:売れ筋商品のみを重視する従来の戦略と異なり、ニッチ商品群の累積売上を重視する点が理解できているかが鍵です。
正解の理由
選択肢アは「売れ筋商品に絞らず、多品種少量販売で大きな売上や利益を得る」というロングテールの本質を正確に表現しています。ロングテール理論は、売れ筋商品(ヘッド)だけでなく、売れ行きが少ない商品(テール)を多数扱うことで、全体として大きな売上を生み出すことを示しています。これにより、従来の大量生産・大量販売モデルとは異なる新たなビジネスチャンスが生まれます。
よくある誤解
ロングテールは単に「売れ筋商品を増やす」ことではなく、「売れ筋以外の多様な商品を扱う」ことが重要です。売上の8割が2割の商品から生まれるというパレートの法則とは異なる視点です。
解法ステップ
- ロングテールの基本概念を理解する(多品種少量販売で利益を得る戦略)。
- 選択肢の内容をロングテールの定義と照らし合わせる。
- 売れ筋商品のみを重視するか、多様な商品を扱うかを判断する。
- パレートの法則やネットワーク効果など他の概念と混同していないか確認する。
- 最もロングテールの考え方に合致する選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。多品種少量販売で大きな売上を狙うロングテールの本質を表現。
- イ: 生産規模の拡大による生産性向上を述べており、ロングテールとは無関係。
- ウ: パレートの法則(80:20の法則)を説明しており、ロングテールの考え方とは異なる。
- エ: ネットワーク効果や規模の経済による市場支配を示しており、ロングテールとは別の概念。
補足コラム
ロングテール理論はクリス・アンダーソンによって提唱され、AmazonやNetflixなどのオンラインプラットフォームで成功例が多く見られます。デジタル化により在庫や流通コストが低減し、ニッチ市場の掘り起こしが可能になったことが背景です。これにより、従来の「ヒット商品重視」から「多様な商品群の累積価値重視」へとビジネスモデルが変化しています。
FAQ
Q: ロングテールとパレートの法則はどう違いますか?
A: パレートの法則は売上の大部分が少数の商品や顧客に依存することを示しますが、ロングテールは売れ筋以外の多数の商品群の累積売上に注目します。
A: パレートの法則は売上の大部分が少数の商品や顧客に依存することを示しますが、ロングテールは売れ筋以外の多数の商品群の累積売上に注目します。
Q: なぜインターネットがロングテールを可能にしたのですか?
A: インターネットは在庫管理や流通コストを削減し、多品種少量の商品を効率的に販売できる環境を整えたためです。
A: インターネットは在庫管理や流通コストを削減し、多品種少量の商品を効率的に販売できる環境を整えたためです。
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