ITストラテジスト試験 2015年 午前222


我が国における、連結の対象となる子会社の範囲を決定する基準はどれか。
営業循環基準
影響力基準
支配力基準(正解)
持株基準

解説

我が国における連結の対象となる子会社の範囲を決定する基準はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:連結の対象となる子会社の範囲は「支配力基準」によって決まります。
  • 根拠:支配力基準は、親会社が子会社の経営方針や意思決定を実質的に支配できるかどうかを判断する基準です。
  • 差がつくポイント:単なる持株比率や影響力ではなく、実際に経営支配が可能かどうかを見極める点が重要です。

正解の理由

連結財務諸表の作成において、子会社の範囲を決定する基準は「支配力基準」です。これは親会社が子会社の経営方針を決定し、実質的に支配しているかどうかを判断するもので、単に持株比率が50%を超えているだけでなく、議決権の過半数を持つなど経営支配が可能な状態を指します。したがって、選択肢の中で「支配力基準」であるウが正解です。

よくある誤解

持株比率が高ければ必ず連結対象になると誤解しがちですが、実際には経営支配の有無が重要です。影響力基準は連結ではなく持分法適用の判断基準です。

解法ステップ

  1. 連結の対象となる子会社の基準を問われていることを確認する。
  2. 連結の基準は「支配力」によることを思い出す。
  3. 持株基準は単なる所有割合であり、連結の基準ではないことを理解する。
  4. 影響力基準は持分法適用の基準であり、連結とは異なることを区別する。
  5. 選択肢の中から「支配力基準」を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 営業循環基準
    → 営業循環基準は資産の流動性に関する基準であり、連結の子会社範囲決定には関係ありません。
  • イ: 影響力基準
    → 影響力基準は持分法適用の判断基準であり、連結の対象範囲を決める基準ではありません。
  • ウ: 支配力基準
    → 正解。親会社が子会社を実質的に支配しているかどうかで連結範囲を決定します。
  • エ: 持株基準
    → 持株比率だけで判断する基準はなく、支配力の有無が重要です。

補足コラム

連結財務諸表の作成においては、単に議決権の過半数を持つことだけでなく、実質的な支配関係があるかどうかが重要です。例えば、議決権の過半数を持たなくても、他の株主の分散状況などにより経営支配が可能な場合は連結対象となります。これに対し、影響力基準は持分法適用の判断に用いられ、20%以上50%未満の議決権保有が該当します。

FAQ

Q: 支配力基準と持株基準の違いは何ですか?
A: 持株基準は単に所有割合を指しますが、支配力基準は経営方針を実質的に支配できるかどうかを判断します。連結では支配力基準が用いられます。
Q: 影響力基準はどのような場合に使われますか?
A: 影響力基準は持分法適用の判断基準で、20%以上50%未満の議決権保有で経営に影響を及ぼせる場合に適用されます。

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