ITストラテジスト試験 2017年午前2 問01

共通フレーム2013によれば、システム化構想の立案プロセスで実施するタスクはどれか。

ウ：人間の能力及びスキルの限界を考慮して、利用者とシステムとの間の相互作を識別する。

エ：利害関係者の要件が正確に表現されていることを、利害関係者とともに確立する。

ア：市場、競争相手、取引先、法規制、社会情勢などの事業環境、業務環境を分析し、事業目標、業務目標との関係を明確にする。（正解）

イ：システムのライフサイクルの全期間を通して、利害関係者を識別する。

解説

選択肢アは、システム化構想の立案プロセスにおける基本的なタスクである「事業環境・業務環境の分析」と「事業目標・業務目標との関係明確化」を正確に示しています。共通フレーム2013では、構想段階でこれらの分析を通じてシステム化の方向性を定めることが求められており、最も適切な選択肢です。

利害関係者の識別や要件確立は重要ですが、これらは構想の次の段階や詳細設計段階で行うため、構想立案のタスクとは区別する必要があります。

共通フレーム2013はシステム開発の標準的なプロセスモデルであり、構想段階は「何を作るべきか」を明確にするフェーズです。ここでの環境分析は、外部環境（市場、法規制など）と内部環境（業務内容、組織体制など）を把握し、システム化の必要性や方向性を検討する基盤となります。

Q: システム化構想の立案で利害関係者の識別はなぜ後回しですか？
A: 利害関係者の識別は重要ですが、構想段階ではまず環境と目標の整理に注力し、詳細な関係者分析は次段階で行います。

Q: 事業目標と業務目標の違いは何ですか？
A: 事業目標は企業全体の経営戦略に関わる目標、業務目標は具体的な業務プロセスの改善や効率化を指します。

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