ITストラテジスト試験 2017年 午前202


BCP策定に際して、目標復旧時間となるものはどれか。
災害時に代替手段で運用していた業務が、完全に元の状態に戻るまでの時間
障害発生後のシステムの縮退運用を継続することが許容される時間
待機系への切替えに要する時間
災害時に企業活動を継続するために、最低限必要な業務を復旧するまでの時間対策本部の立上げや判定会議の時間を除く、(正解)

解説

BCP策定に際して、目標復旧時間となるものはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:目標復旧時間(RTO)は、災害時に最低限必要な業務を復旧するまでの時間を指します。
  • 根拠:BCP(事業継続計画)では、重要業務の早期復旧を目標に設定し、対策本部の立上げや判定会議の時間は含みません。
  • 差がつくポイント:RTOと混同しやすい復旧完了時間や切替時間との違いを正確に理解することが重要です。

正解の理由

選択肢アは「災害時に企業活動を継続するために、最低限必要な業務を復旧するまでの時間」と明確に述べており、これがBCPで定義される目標復旧時間(RTO)そのものです。
対策本部の立上げや判定会議の時間は業務復旧の前段階であり、RTOには含まれません。
他の選択肢は復旧完了時間や切替時間、縮退運用の許容時間など異なる概念を示しているため正解ではありません。

よくある誤解

目標復旧時間(RTO)を「完全復旧までの時間」と誤解しやすいですが、RTOは最低限の業務復旧を目指す時間であり、完全復旧時間とは異なります。

解法ステップ

  1. BCPの基本用語「目標復旧時間(RTO)」の定義を確認する。
  2. 選択肢の文言から「最低限必要な業務の復旧時間」であるかを判断する。
  3. 対策本部の立上げや判定会議の時間が含まれているかをチェックし、含まれていなければ正解候補とする。
  4. 他の選択肢が示す「完全復旧時間」「縮退運用許容時間」「切替時間」との違いを理解し除外する。
  5. 最もBCPのRTO定義に合致する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 災害時に企業活動を継続するために、最低限必要な業務を復旧するまでの時間。これがRTOの正しい定義です。
  • イ: 「完全に元の状態に戻るまでの時間」は目標復旧時間ではなく、目標復旧時点(RPO)や完全復旧時間に近い概念です。
  • ウ: 「縮退運用を継続することが許容される時間」は業務の許容停止時間や耐久時間であり、RTOとは異なります。
  • エ: 「待機系への切替えに要する時間」はフェイルオーバー時間であり、RTOの一部に過ぎません。

補足コラム

BCP(事業継続計画)では、目標復旧時間(RTO)と目標復旧時点(RPO)が重要な指標です。
RTOは「業務を再開するまでの許容停止時間」、RPOは「許容できるデータ損失の最大時間」を示します。
これらを正確に理解し、計画に反映させることがBCPの成功に繋がります。

FAQ

Q: 目標復旧時間(RTO)に対策本部の立上げ時間は含まれますか?
A: いいえ、対策本部の立上げや判定会議の時間はRTOには含まれません。RTOは最低限の業務復旧に要する時間です。
Q: 目標復旧時間と完全復旧時間は同じですか?
A: いいえ、目標復旧時間は最低限の業務復旧を目指す時間であり、完全復旧時間はすべての業務やシステムが元の状態に戻るまでの時間です。

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