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ITストラテジスト試験 2017年 午前2 問04
IT投資効果の評価に用いられる手法のうち、ROIによるものはどれか
イ:キャッシュフロー上で初年度の投資によるキャッシュアウトフローが何年後に回収できるかによって評価する
ウ:金銭価値の時間的変化を考慮して、現在価値に換算されたキャッシュフローの一定期間の合計値がゼロとなるような割引率を求め、その大小で評価する。
エ:投資額を分母に、投資による収益を分子とした比率を算出し、その大小で評価する。(正解)
ア:ー定期間のキャッシュフローを、将来発生するものは割引率を設定して現在価値に換算した上で、キャッシュフローの合計値を求め、その大小で評価する。
解説
IT投資効果の評価に用いられる手法のうち、ROIによるものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ROIは「投資額に対する収益の割合」を示す指標で、投資効率を評価する際に用います。
- 根拠:ROIは投資収益率を計算し、投資額に対してどれだけ利益が得られたかを比率で示すため、投資効果の比較に適しています。
- 差がつくポイント:割引率を用いた現在価値計算や回収期間法と異なり、ROIは単純な比率計算で投資効率を評価する点が特徴です。
正解の理由
選択肢エは「投資額を分母に、投資による収益を分子とした比率を算出し、その大小で評価する」とあり、これはROI(Return on Investment)の定義そのものです。ROIは投資に対してどれだけの利益が得られたかを示す指標で、投資効果の評価に広く使われています。
よくある誤解
ROIは単なる利益の額ではなく、投資額に対する利益の割合であるため、利益額だけを見て判断するのは誤りです。
解法ステップ
- 問題文で「ROIによるもの」とあるため、ROIの定義を思い出す。
- ROIは「利益 ÷ 投資額」で計算される比率であることを確認。
- 選択肢の説明文を読み、ROIの定義に合致するものを探す。
- 割引率や回収期間に関する説明はROIの定義と異なるため除外。
- 投資額を分母に収益を分子にした比率を示す選択肢エを正解と判断。
選択肢別の誤答解説
- ア:割引率を用いて将来のキャッシュフローを現在価値に換算し合計する方法は「NPV(正味現在価値)」の説明であり、ROIではありません。
- イ:初期投資の回収期間を評価する方法は「回収期間法」で、ROIとは異なります。
- ウ:割引率を求めてNPVがゼロとなる割引率を評価する方法は「IRR(内部収益率)」の説明であり、ROIではありません。
- エ:投資額を分母に収益を分子にした比率を算出し評価する方法はROIの定義に合致し、正解です。
補足コラム
ROIは投資効率を簡単に比較できる指標ですが、時間価値を考慮しないため長期投資やキャッシュフローのタイミングを重視する場合はNPVやIRRと併用することが望ましいです。また、ROIは利益の計算方法によって結果が変わるため、評価基準を明確にする必要があります。
FAQ
Q: ROIとNPVの違いは何ですか?
A: ROIは投資額に対する利益の割合を示す単純な比率で、NPVは将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算し合計した金額で評価します。
A: ROIは投資額に対する利益の割合を示す単純な比率で、NPVは将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算し合計した金額で評価します。
Q: ROIはどのような場面で使うべきですか?
A: 短期的な投資効率の比較や、複数の投資案件の収益性を簡単に比較したい場合に有効です。
A: 短期的な投資効率の比較や、複数の投資案件の収益性を簡単に比較したい場合に有効です。
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