ITストラテジスト試験 2017年 午前208


投資効果を正味現在価値法で評価するとき、最も投資効果が大きい(又は損失が小さい)シナリオはどれか。ここで、期間は3年間、割引率は5%とし、各シナリオのキャッシュフローは表のとおりとする。
問題画像
A
B(正解)
C
投資をしない

解説

投資効果を正味現在価値法で評価する問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:最も投資効果が大きいのはシナリオBである。
  • 根拠:正味現在価値(NPV)は将来のキャッシュフローを割引率5%で現在価値に換算し、投資額を差し引いて算出するため、早期の回収がNPVを高める。
  • 差がつくポイント:同じ総回収額でも回収時期が早いほどNPVは大きくなり、投資判断に影響する点を理解することが重要。

正解の理由

シナリオBは1年目に120万円と最も早く大きな回収があり、2年目80万円、3年目40万円と続きます。割引率5%で計算すると、早期の回収分がより高い現在価値を持つため、合計の正味現在価値が最も高くなります。投資額は220万円で共通ですが、回収のタイミングがNPVに大きく影響するため、シナリオBが最も投資効果が大きいと判断されます。

よくある誤解

回収総額が同じなら回収時期は関係ないと考えがちですが、割引率を考慮すると早期回収の方が価値が高くなります。これを理解しないと誤った選択をしてしまいます。

解法ステップ

  1. 各シナリオのキャッシュフローを割引率5%で現在価値に割り引く。
  2. 割引現在価値を1年目、2年目、3年目それぞれ計算する。
  3. 割引現在価値の合計から投資額220万円を差し引き、NPVを求める。
  4. NPVが最も大きいシナリオを選択する。
  5. 投資をしない場合のNPVは0と比較し、投資の有無を判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: シナリオAは回収額が後半に偏っており、割引現在価値が低くなるためNPVはシナリオBより小さい。
  • イ: シナリオBは早期に大きな回収があり、割引現在価値が最大となるため正解。
  • ウ: シナリオCは回収額が均等だが、早期回収が少ないためNPVはシナリオBに劣る。
  • エ: 投資をしない場合はNPVが0であり、投資効果があるシナリオBのNPVより低いため不適切。

補足コラム

正味現在価値法(NPV法)は投資評価の基本手法で、将来のキャッシュフローを現在価値に換算し投資額と比較します。割引率は資本コストやリスクを反映し、早期回収の価値を高めるため、投資判断において非常に重要な指標です。

FAQ

Q: 割引率が高いほどNPVにどのような影響がありますか?
A: 割引率が高いほど将来のキャッシュフローの現在価値が小さくなり、早期回収の重要性が増します。
Q: 投資額が異なる場合のNPV計算はどう変わりますか?
A: 投資額が大きいほどNPVは減少するため、投資額と回収のバランスを慎重に評価する必要があります。

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