ITストラテジスト試験 2017年 午前224


Man-in-the-Browser攻撃に該当するものはどれか。
インターネットバンキングの正規サイトに見せかけた中継サイトにWebブラウザを接続させ、入力された利用者IDとパスワードを使って利用者になりすまし、正規サイトにログインする。
DNSサーバのキャッシュを不正に書き換えて、インターネットバンキングに見せかけた偽サイトをWebブラウザに表示させる。
PCに侵入したマルウェアが、利用者のインターネットバンキングへのログインを検知して、Webブラウザから送信される振込先なかどのデータを改ざんする。(正解)
インターネットバンキングからと送信されたように見せかけた電子メールに偽サイトのURLを記載しておき、その他サイトに接続させて、Webブラウザから口座番号やクレジットカード番号を入力させることで情報を盗み出す。

解説

Man-in-the-Browser攻撃に該当するものはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:Man-in-the-Browser攻撃は、マルウェアがブラウザ内の通信内容を改ざんする攻撃であり、選択肢イが該当します。
  • 根拠:攻撃者はPCに侵入したマルウェアを介してブラウザの送信データをリアルタイムで書き換え、利用者に気づかれずに不正操作を行います。
  • 差がつくポイント:DNS改ざんやフィッシングは別の攻撃手法であり、ブラウザ内で通信内容を直接改ざんする点がMan-in-the-Browserの特徴です。

正解の理由

選択肢イは、PCに侵入したマルウェアが利用者のブラウザ通信を監視し、振込先などの送信データを改ざんする内容で、これがMan-in-the-Browser攻撃の典型例です。攻撃者はブラウザとサーバ間の通信を中間で操作し、利用者は改ざんに気づかずに不正送金が行われます。

よくある誤解

Man-in-the-Browser攻撃は単なるフィッシングやDNSキャッシュポイズニングとは異なり、ブラウザ内部で通信内容を改ざんする点が特徴です。混同しやすいので注意が必要です。

解法ステップ

  1. Man-in-the-Browser攻撃の定義を確認する(ブラウザ内の通信改ざん)。
  2. 各選択肢の攻撃手法を整理し、ブラウザ内改ざんかどうかを判別する。
  3. DNS改ざんやフィッシングは別攻撃と認識し除外する。
  4. マルウェアがブラウザ通信を改ざんする選択肢を正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア: DNSサーバのキャッシュを書き換える攻撃はDNSキャッシュポイズニングであり、Man-in-the-Browserとは異なります。
  • : マルウェアがブラウザ通信を改ざんする典型的なMan-in-the-Browser攻撃です。
  • ウ: フィッシングメールを使った偽サイト誘導はフィッシング攻撃で、ブラウザ内改ざんではありません。
  • エ: 中継サイトを使ったなりすましはリレー攻撃やなりすまし攻撃であり、ブラウザ内改ざんとは異なります。

補足コラム

Man-in-the-Browser攻撃は、トロイの木馬型マルウェアがブラウザのプロセスに介入し、送信データや表示内容を改ざんする高度な攻撃です。多くの場合、SSL/TLS通信も解読・改ざんされるため、単純な通信暗号化だけでは防げません。対策としては、マルウェア対策ソフトの導入や多要素認証の活用が有効です。

FAQ

Q: Man-in-the-Browser攻撃はどのように検知できますか?
A: 通常のウイルス対策ソフトで検知が難しいため、不審な振込通知や取引履歴の確認、多要素認証の利用が重要です。
Q: Man-in-the-Browser攻撃とMan-in-the-Middle攻撃の違いは何ですか?
A: Man-in-the-BrowserはユーザのPC内のブラウザで通信を改ざんするのに対し、Man-in-the-Middleは通信経路上で盗聴や改ざんを行います。

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