ITストラテジスト試験 2018年 午前221


X社では、(1)~(4)に示す算定方式で在庫補充量を決定している。第れ週の週末時点での在庫量をB[n]、第n週の販売量をC[n]としたとき、第n週の週末に発注する在庫補充量の算出式はどれか。ここで、nは3以上とする。
〔在庫補充量の算定方式〕 (1)週末ごとに在庫補充量を算出し、発注を行う。在庫は翌週の月曜日に補充される。 (2)在庫補充量は、翌週の販売予測量から現在の在庫量を引き、安全在庫量を加えて算出する。 (3)翌週の販売予測量は、先週の販売量と今週の販売量の平均値とする。 (4)安全在庫量は、翌週の販売予測量の10%とする。
(C[n-1]+C[n])/2✕1.1-B[n](正解)
(C[n-1]+C[n])/2x1.1-B[n-1]
(C[n-1]+C[n])/2+C[n]x0.1-B[n]
(C[n-2]+C[n-1])/2+C[n]x0.1-B[n]

解説

在庫補充量の算出式の問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:正しい算出式は「(C[n-1]+C[n])/2 × 1.1 - B[n]」であり、が正解です。
  • 根拠:翌週の販売予測は直近2週の販売量平均、そこに安全在庫(10%)を加え、現在の在庫量を差し引く方式だからです。
  • 差がつくポイント:販売予測の期間と安全在庫の加算方法、在庫量の引き方を正確に理解しているかが鍵となります。

正解の理由

翌週の販売予測量は「先週(n-1週)と今週(n週)の販売量の平均値」(条件3)で求めます。
安全在庫量はその販売予測量の10%(条件4)なので、販売予測量に1.1を掛けて表現できます。
現在の在庫量は第n週の週末時点の在庫量B[n](条件1)を差し引き、翌週の補充量を算出します。
これらを踏まえると、式は「(C[n-1]+C[n])/2 × 1.1 - B[n]」となり、選択肢アが正解です。

よくある誤解

販売予測に過去2週の販売量を使う点を誤解し、古い週のデータや在庫量の時点を間違えることが多いです。
また、安全在庫を加算するのに単純に足すのではなく、販売予測に対する割合で計算する点も混乱しやすいです。

解法ステップ

  1. 翌週の販売予測量を求める:先週と今週の販売量の平均値を計算する。
  2. 安全在庫量を算出する:販売予測量の10%を掛ける。
  3. 販売予測量に安全在庫を加えた値を求める。
  4. 第n週の週末時点の在庫量B[n]を差し引く。
  5. 以上の計算式を選択肢と照合し、正しいものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。販売予測の平均値に安全在庫分1.1倍を掛け、現在の在庫B[n]を差し引いている。
  • イ: 販売予測は正しいが、在庫量がB[n-1](先週の在庫)となっており、条件1の「週末時点の在庫B[n]」と異なる。
  • ウ: 販売予測の平均値に安全在庫を加算する方法が誤り。安全在庫は販売予測の10%なので掛け算で表すべき。
  • エ: 販売予測の期間が「n-2週とn-1週」と古く、条件3の「n-1週とn週」の平均と異なる。

補足コラム

在庫補充量の算定は、販売予測と安全在庫の設定が重要です。
安全在庫は需要変動や納期遅延に備えるためのバッファであり、販売予測に対する割合で設定することが多いです。
また、在庫量の時点を正確に把握し、補充タイミングに合わせて計算することが実務でも求められます。

FAQ

Q: なぜ安全在庫は販売予測の10%なのですか?
A: 需要の変動や供給遅延に備え、販売予測に対して一定割合を安全在庫として確保することでリスクを軽減します。
Q: なぜ在庫量はB[n](今週の週末時点)を使うのですか?
A: 補充は週末に発注し、翌週月曜に補充されるため、週末時点の在庫量を基準に補充量を決定します。

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