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ITストラテジスト試験 2019年 午前2 問20
ベイス統計の説明として、適切なものはどれか。
イ:事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり、ディープラーニング、迷惑メールフィルタなどに利用されている続計理論(正解)
ウ:収集されたデータの代表値である平均値・中央値・最頻値を求めたり、度数分布表やヒストグラムを作成したりすることによって、データの特徴を捉える続計理論
エ:ビッグデータの収集・分析に当たり、分析結果の検証可能性を確保し、複数の分析結果を比較可能とするために、対象をオープンデータに限定する統計手法
ア:経済統計に関する国際条約に基づいて、貿易実態を正確に把握し、国の経済政策や企業の経済活動の資料とすることを目的に統計指標を作成する手法
解説
ベイズ統計の説明として、適切なものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ベイズ統計は事前分布と事後分布の考え方に基づく確率論の体系である。
- 根拠:事前の知識(事前分布)をデータ(尤度)で更新し、事後分布を求める手法が特徴的。
- 差がつくポイント:ベイズ統計は従来の頻度主義統計と異なり、確率を主観的な信念として扱う点が重要。
正解の理由
選択肢イは「事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり、ディープラーニング、迷惑メールフィルタなどに利用されている続計理論」と説明しています。これはベイズ統計の本質を正確に表現しています。ベイズ統計は、既存の知識を事前分布として設定し、新たなデータを得ることで事後分布を計算し、確率的に推論を行う方法です。機械学習の分野でも広く応用されており、迷惑メールフィルタなどの実用例も多いです。
よくある誤解
ベイズ統計は単なるデータの集計や代表値の計算ではなく、確率を用いた推論の枠組みである点を誤解しやすいです。
また、経済統計やオープンデータの利用方法とは直接関係がありません。
また、経済統計やオープンデータの利用方法とは直接関係がありません。
解法ステップ
- 問題文の「ベイズ統計」の定義を確認する。
- 選択肢のキーワード「事前分布」「事後分布」「確率に関する考え方」を探す。
- ベイズ統計が確率論に基づく推論手法であることを理解する。
- 他の選択肢が経済統計や記述統計、オープンデータに関する内容であることを確認する。
- ベイズ統計の特徴を正しく説明している選択肢イを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:経済統計に関する国際条約や貿易実態の把握はベイズ統計の説明ではなく、統計指標作成の目的に関する内容。
- イ:正解。ベイズ統計の基本概念と応用例を正確に説明している。
- ウ:平均値や中央値、度数分布表の作成は記述統計の範囲であり、ベイズ統計の説明ではない。
- エ:オープンデータの利用やビッグデータ分析の検証可能性確保は統計手法の運用面の話であり、ベイズ統計の定義とは異なる。
補足コラム
ベイズ統計は18世紀のトーマス・ベイズに由来し、現代では機械学習や人工知能の分野で重要な役割を果たしています。特に、データが少ない場合や不確実性が高い状況での推論に強みがあります。頻度主義統計と対比されることが多く、確率を「長期的な頻度」ではなく「信念の度合い」として扱う点が特徴です。
FAQ
Q: ベイズ統計と頻度主義統計の違いは何ですか?
A: ベイズ統計は確率を主観的な信念として扱い、事前知識を反映して推論します。一方、頻度主義統計は確率を長期的な頻度として解釈します。
A: ベイズ統計は確率を主観的な信念として扱い、事前知識を反映して推論します。一方、頻度主義統計は確率を長期的な頻度として解釈します。
Q: ベイズ統計はどのような分野で使われていますか?
A: 医療診断、機械学習、自然言語処理、迷惑メールフィルタリングなど、不確実性の高い問題で広く利用されています。
A: 医療診断、機械学習、自然言語処理、迷惑メールフィルタリングなど、不確実性の高い問題で広く利用されています。
関連キーワード: ベイズ統計, 事前分布, 事後分布, 確率論, 機械学習, 迷惑メールフィルタ, 記述統計, 経済統計, オープンデータ