ITストラテジスト試験 2019年 午前221


製品X, Yを1台製造するのに必要な部品数は、表のとおりである。製品1台当たりの利益がX, Yともに1万円のとき、利益は最大何万円になるか。ここで、部品Aは120個、部品Bは60個まで使えるものとする。
問題画像
30
60
40
45(正解)

解説

製品X, Yの利益最大化問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:製品XとYの製造台数を部品制約のもとで最適に配分すると、最大利益は45万円となります。
  • 根拠:部品AとBの使用制限から連立不等式を立て、利益最大化の線形計画問題を解くことで最適解を導出します。
  • 差がつくポイント:部品の使用量を正確に把握し、利益単価が同じ場合の製品配分を正しく計算できるかが鍵です。

正解の理由

製品Xは部品Aを3個、部品Bを1個使い、製品Yは部品Aを2個、部品Bを2個使います。部品Aは120個、部品Bは60個まで使用可能です。利益はどちらも1台あたり1万円なので、利益最大化は製品Xの台数をxx、製品Yの台数をyyとすると、
{3x+2y120x+2y60x,y0\begin{cases} 3x + 2y \leq 120 \\ x + 2y \leq 60 \\ x, y \geq 0 \end{cases}
この制約のもとで、利益P=x+yP = x + yを最大化します。制約条件を満たす整数解を探すと、x=30x=30, y=15y=15が最適解で、利益は30+15=4530 + 15 = 45万円となります。よって正解はです。

よくある誤解

部品の制約を片方だけで考えたり、利益単価が同じために片方の製品だけを作ればよいと誤解しがちです。両方の部品制約を同時に考慮することが重要です。

解法ステップ

  1. 製品XとYの部品使用数を確認する(A:3,1、B:2,2)。
  2. 部品AとBの使用上限(120個、60個)から不等式を立てる。
  3. 利益は1台あたり1万円で同じなので、P=x+yP = x + yを最大化する問題とする。
  4. 不等式を満たすx,yx,yの組み合わせを探す。
  5. グラフや代入法で制約条件の交点を求め、整数解で最大利益を計算。
  6. 最適解はx=30x=30, y=15y=15で利益45万円。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 30
    部品Bの制約を無視し、製品Xだけを作った場合の利益。部品Bが足りなくなるため不正解。
  • イ: 40
    部品Aの制約を優先しすぎて、部品Bの制約を満たさない組み合わせを想定。
  • ウ: 45
    部品A・B両方の制約を満たし、利益最大化した正しい解。
  • エ: 60
    部品制約を超えて製造可能と誤認した過大な利益。現実的な制約を無視している。

補足コラム

この問題は線形計画法の基本的な応用例です。利益が同じ場合、資源制約を考慮して製品の組み合わせを決めることが重要です。実務では、利益単価が異なる場合や追加制約がある場合も多く、より複雑な最適化問題となります。

FAQ

Q: 利益が同じならどちらの製品を多く作っても同じですか?
A: いいえ、部品の使用量が異なるため、部品制約を考慮すると最適な配分が異なります。
Q: 部品の使用制約が増えたらどうすればよいですか?
A: 制約条件を増やして連立不等式を作り、同様に最大化問題を解きます。場合によっては線形計画法のソフトウェアを使うと便利です。

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