ITストラテジスト試験 2019年 午前222


投資効果の評価に用いられる内部収益率法(IRR法)を説明したものはどれか。
現金の支出(投資額)と収入(利益額)のフローを現在価値に置き換えた金額の大小によって投資の有利性を評価する方法である。
投下した資金がどれだけの期間で回収できるかによって投資の有利性を評価する方法である。
投資から回収される現金収入(利益額)の現在価値が投資額に等しくなるような割引率を求め、基準の割引率よりも大きければ有利と評価する方法である。(正解)
投資によって生じる年々の平均現金流入額を投資額で割って投資利益率を算出し、投資利益率が高ければ有利と評価する方法である。

解説

投資効果の評価に用いられる内部収益率法(IRR法)とは【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:内部収益率法(IRR法)は、投資の割引率を求めて投資の有利性を判断する方法です。
  • 根拠:投資から得られる現金収入の現在価値が投資額と等しくなる割引率を計算し、基準割引率と比較します。
  • 差がつくポイント:IRRは単なる回収期間や利益率ではなく、キャッシュフローの時間的価値を考慮した割引率で評価する点が重要です。

正解の理由

選択肢ウは、内部収益率法の定義を正確に表しています。IRR法は、投資による将来の現金収入の現在価値が投資額と等しくなる割引率(内部収益率)を求め、その値が基準割引率(例えば資本コスト)より高ければ投資が有利と判断します。これにより、投資の収益性を割引率の観点から評価できるため、資金の時間的価値を考慮した合理的な判断が可能です。

よくある誤解

IRR法は単に投資回収期間や平均利益率を評価する方法ではありません。割引率を用いてキャッシュフローの現在価値を比較する点が本質です。

解法ステップ

  1. 投資による将来の現金収入(キャッシュフロー)を時系列で整理する。
  2. 投資額と将来キャッシュフローの現在価値が等しくなる割引率(IRR)を計算する。
  3. 計算したIRRを基準割引率(資本コストなど)と比較する。
  4. IRRが基準割引率以上なら投資は有利、未満なら不利と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア:これは正味現在価値法(NPV法)の説明であり、IRR法とは異なります。
  • イ:これは回収期間法の説明で、投資の回収にかかる期間を評価する方法です。
  • ウ:内部収益率法の正しい説明です。
  • エ:これは投資利益率法の説明で、平均的な利益率を計算する手法です。

補足コラム

内部収益率法は、複数の投資案の比較や資本コストの変動を考慮した投資判断に有効です。ただし、キャッシュフローが複雑な場合や複数のIRRが存在する場合は注意が必要です。NPV法と併用することでより正確な評価が可能です。

FAQ

Q: IRR法はなぜ割引率を使うのですか?
A: 割引率を使うことで、将来の現金の価値を現在の価値に換算し、時間的価値を考慮した投資評価が可能になるためです。
Q: IRRが基準割引率より低い場合はどう判断しますか?
A: 投資の収益性が資本コストを下回るため、投資は不利と判断します。

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