ITストラテジスト試験 2021年 午前221


利用者とシステム運用担当者にによるブレーンストーミングを行って、利用者の操作に起因するPCでのトラブルについて、主要なトラブルごとに原因となったと思われる操作、利用状況などを拾い上げた。トラブル対策を立てるために、ブレーンストーミングの結果を利用して原因と結果の関係を整理するのに適した図はどれか。
特性要因図(正解)
パレート図
ヒストグラム
散布図

解説

利用者の操作に起因するPCトラブルの原因整理に適した図【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:原因と結果の関係を整理するには「特性要因図」が最適です。
  • 根拠:特性要因図は問題の「結果」とそれに影響する「原因」を階層的に整理し、全体像を把握しやすくします。
  • 差がつくポイント:単なるデータの分布や頻度ではなく、原因の構造的な関係を明確にできる点が評価されます。

正解の理由

利用者の操作に起因するPCトラブルの原因をブレーンストーミングで洗い出した後、それらの原因と結果の関係を整理するには「特性要因図(フィッシュボーン図)」が最も適しています。特性要因図は「結果(トラブル)」を魚の頭に見立て、その原因を骨のように分類・展開していく図で、複数の原因を体系的に整理しやすい特徴があります。これにより、どの操作や利用状況がトラブルに影響しているかを視覚的に把握でき、対策立案に役立ちます。

よくある誤解

散布図やパレート図はデータの傾向や頻度を示すのに優れますが、原因と結果の因果関係を整理する目的には不向きです。ヒストグラムはデータの分布を示すだけで、原因分析には適しません。

解法ステップ

  1. 問題文から「原因と結果の関係を整理する」ことが求められていると把握する。
  2. ブレーンストーミングで洗い出した複数の原因を体系的に整理する必要があると理解する。
  3. 因果関係を視覚的に表現できる図を選択肢から探す。
  4. 特性要因図が「原因と結果の関係を整理する図」であることを確認する。
  5. よって「イ: 特性要因図」を正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 散布図
    データの相関関係を点で示す図で、原因と結果の因果関係を整理するには不適切です。
  • イ: 特性要因図
    原因と結果の関係を体系的に整理できるため、トラブル原因分析に最適です。
  • ウ: パレート図
    頻度や影響度の大きい項目を優先順位付けする図で、原因の構造整理には向きません。
  • エ: ヒストグラム
    データの分布を棒グラフで示す図で、原因分析の因果関係整理には不適切です。

補足コラム

特性要因図は「フィッシュボーン図」とも呼ばれ、品質管理や問題解決の現場で広く使われています。原因を「人」「機械」「方法」「材料」などのカテゴリーに分類し、問題の根本原因を探る際に有効です。ブレーンストーミングで多くの原因を洗い出した後の整理に特に適しています。

FAQ

Q: 特性要因図とパレート図の違いは何ですか?
A: 特性要因図は原因と結果の関係を階層的に整理する図で、パレート図は項目の頻度や影響度を大きい順に並べて優先順位をつける図です。
Q: ブレーンストーミングの結果をまとめる他の方法はありますか?
A: マインドマップやフローチャートも使えますが、因果関係を明確にするなら特性要因図が最も適しています。

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