ITストラテジスト試験 2023年 午前204


スマートフォン向けのアプリケーションプログラムの開発プロジェクトa~dにおいて、2年間の投資効果をNPVで評価する場合、投資効果が最大となるプロジェクトはどれか。ここで、割引率は10%とする。
問題画像
c(正解)
d
a
b

解説

スマートフォン向けアプリ開発プロジェクトのNPV評価【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:割引率10%で2年間のキャッシュフローをNPV計算すると、プロジェクトcが最も投資効果が高いです。
  • 根拠:NPVは将来のキャッシュフローを現在価値に割り引き、初期投資額を差し引いた値で評価します。
  • 差がつくポイント:割引率を正しく適用し、各年のキャッシュフローを現在価値に換算して合計し、初期投資額と比較する計算力が重要です。

正解の理由

プロジェクトcは初期投資額が4.3百万円と最も低く、1年目と2年目のキャッシュフローも十分に大きいため、割引率10%で現在価値を計算するとNPVが最大になります。具体的には、
NPV=4.3+3.30(1+0.1)1+2.42(1+0.1)2NPV = -4.3 + \frac{3.30}{(1+0.1)^1} + \frac{2.42}{(1+0.1)^2}
の計算結果が他のプロジェクトより高く、投資効果が最大となるため正解です。

よくある誤解

NPV計算で単にキャッシュフローの合計を比較しがちですが、割引率を適用して現在価値に換算することが必須です。初期投資額だけで判断するのも誤りです。

解法ステップ

  1. 各プロジェクトの初期投資額を確認する。
  2. 1年目と2年目のキャッシュフローを割引率10%で現在価値に割り引く。
  3. 割引後のキャッシュフローを合計し、初期投資額を差し引いてNPVを算出する。
  4. 全プロジェクトのNPVを比較し、最大のものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア(a):初期投資額が大きく、キャッシュフローも割引後に他より低いためNPVは最大にならない。
  • イ(b):初期投資額は低めだが、キャッシュフローの割引後合計がcより小さい。
  • ウ(c):初期投資額が最も低く、割引後キャッシュフローの合計が最大でNPVが最大となる。
  • エ(d):キャッシュフローの割引後合計が小さく、初期投資額も中程度でNPVは最大にならない。

補足コラム

NPV(正味現在価値)は投資判断の基本指標で、将来のキャッシュフローを割引率で現在価値に換算し、初期投資額と比較します。割引率は資本コストやリスクを反映し、正確な計算が投資効果の正しい評価に不可欠です。

FAQ

Q: 割引率10%はどのように決めるのですか?
A: 割引率は資本コストやリスクプレミアムを考慮して設定され、企業の資金調達コストや市場環境に基づき決定されます。
Q: NPVが正の場合は必ず投資すべきですか?
A: 一般的にはNPVが正なら投資価値がありますが、他のプロジェクトとの比較や資金制約も考慮する必要があります。

関連キーワード: NPV計算, 割引率, 投資評価, キャッシュフロー, 現在価値, プロジェクト評価
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ