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ITストラテジスト試験 2023年 午前2 問18
ベイズ統計の説明として、適切なものはどれか。
ア:経済続計に関する国際条約に基づいて、貿易実態を正確に把握し、国の経済政策や企業の経済活動の資料とすることを目的とした指標を作成する統計手法
エ:ビッグデータの収集・分析に当たり、分析結果の検証可能性を確保し、複数の分析結果を比較可能とするために、対象をオープンデータに限定する統計手法
イ:事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり、機械学習、迷惑メールフィルターなどに利用されている統計理論(正解)
ウ:収集されたデータの代表値である平均値・中央値・最頻値を求めたり、度数分布表やヒストグラムを作成したりすることによって、データの特徴を捉える統計理論
解説
ベイズ統計の説明として、適切なものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ベイズ統計は事前分布と事後分布の考え方に基づく確率論的統計理論である。
- 根拠:事前の知識(事前分布)をデータ(尤度)で更新し、事後分布を求める手法が特徴的である。
- 差がつくポイント:ベイズ統計は機械学習や迷惑メールフィルターなど実用的応用が多く、単なる記述統計やデータ収集手法とは異なる点を理解すること。
正解の理由
選択肢イは「事前分布・事後分布といった確率に関する考え方に基づいて体系化されたものであり、機械学習、迷惑メールフィルターなどに利用されている統計理論」と述べています。これはベイズ統計の本質を正確に表現しています。ベイズ統計は、既存の知識を事前分布として設定し、新たなデータを得ることで事後分布を計算し、確率的に推論を行う手法です。機械学習の分野でも広く使われており、迷惑メール判定などの実用例も多いことから、最も適切な説明です。
よくある誤解
ベイズ統計は単なるデータの集計や記述統計ではなく、確率の更新を通じて推論を行う理論です。事前知識を無視してデータだけを見る頻度主義統計と混同しやすい点に注意が必要です。
解法ステップ
- 問題文の「ベイズ統計」のキーワードに注目する。
- ベイズ統計の基本概念「事前分布」「事後分布」を思い出す。
- 各選択肢の説明内容を確認し、ベイズ統計の特徴と合致するかを判断する。
- 機械学習や迷惑メールフィルターの利用例があるかをチェックし、実用面も考慮する。
- 最も正確にベイズ統計を説明している選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア:経済統計に関する国際条約や貿易実態の把握はベイズ統計の説明ではなく、統計の応用分野の一例でもない。
- イ:正解。ベイズ統計の基本概念と応用例を正しく説明している。
- ウ:平均値や中央値などの代表値を求めるのは記述統計であり、ベイズ統計の説明ではない。
- エ:オープンデータの利用や検証可能性の確保は統計分析の運用面の話であり、ベイズ統計の理論的説明とは異なる。
補足コラム
ベイズ統計はトーマス・ベイズによって提唱された確率論の一分野で、特に不確実性のある状況下での推論に強みがあります。近年は計算機の発展によりベイズ推定が実用的になり、医療診断や金融リスク評価、自然言語処理など幅広い分野で活用されています。
FAQ
Q: ベイズ統計と頻度主義統計の違いは何ですか?
A: ベイズ統計は事前知識を確率分布として取り入れ、データで更新するのに対し、頻度主義統計はデータのみを基に推定や検定を行います。
A: ベイズ統計は事前知識を確率分布として取り入れ、データで更新するのに対し、頻度主義統計はデータのみを基に推定や検定を行います。
Q: ベイズ統計はどのような場面で使われますか?
A: 機械学習のモデル構築、迷惑メール判定、医療診断、リスク管理など、不確実性の高い問題で広く使われています。
A: 機械学習のモデル構築、迷惑メール判定、医療診断、リスク管理など、不確実性の高い問題で広く使われています。
関連キーワード: ベイズ統計, 事前分布, 事後分布, 機械学習, 迷惑メールフィルター, 確率論, 統計理論