ITストラテジスト試験 2023年 午前220


表の事業計画案に対して、新規設備投資に伴う減価償却費(固定費)の増加1,000万円を織り込み、かつ、売上総利益を3,000万円とするようにしたい。変動費率に変化がないとすると、売上高の増加を何万円にすればよいか。
問題画像
2000
3000
4000(正解)
5000

解説

新規設備投資に伴う売上高増加額の計算問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:売上総利益を3,000万円にするためには売上高を4,000万円増加させる必要があります。
  • 根拠:変動費率は一定なので、売上高増加分の売上総利益は売上高増加額から変動費を差し引いた額で計算。
  • 差がつくポイント:固定費増加分1,000万円をカバーしつつ、売上総利益を1,000万円増やすための売上高増加額を正確に求めること。

正解の理由

売上総利益は「売上高-売上原価(変動費+固定費)」で求められます。
今回、固定費が1,000万円増加し、売上総利益を2,000万円から3,000万円に増やしたいので、売上総利益は1,000万円増加させる必要があります。
変動費率は変わらないため、売上高増加分に対する変動費も比例して増えます。
変動費率は元の売上高20,000万円に対して変動費10,000万円なので50%です。
売上高増加額をxx万円とすると、増加する売上総利益はx0.5x=0.5xx - 0.5x = 0.5x万円。
固定費増加1,000万円をカバーし、売上総利益を1,000万円増やすためには、増加分の売上総利益が2,000万円必要です。
つまり、0.5x=2,0000.5x = 2,000x=4,000x = 4,000万円となり、選択肢のウが正解です。

よくある誤解

固定費の増加分を無視して売上総利益の増加分だけを考えると、売上高増加額が過小評価されます。
また、変動費率が変わらないことを忘れて売上高増加額をそのまま利益増加と誤解しがちです。

解法ステップ

  1. 元の変動費率を計算する(変動費 ÷ 売上高)。
  2. 売上総利益の増加目標額を求める(3,000万円-2,000万円=1,000万円)。
  3. 固定費増加分1,000万円を加味し、必要な売上総利益増加分を算出(1,000万円+1,000万円=2,000万円)。
  4. 売上高増加額xxに対する増加売上総利益はx変動費率×xx - 変動費率×xなので、x(1変動費率)x(1 - 変動費率)を設定。
  5. 方程式を立てて解く:x(10.5)=2,000x(1 - 0.5) = 2,0000.5x=2,0000.5x = 2,000x=4,000x = 4,000
  6. よって、売上高増加額は4,000万円。

選択肢別の誤答解説

  • ア(2,000万円):固定費増加分を考慮せず、売上総利益増加分のみを売上高増加額と誤解。
  • イ(3,000万円):固定費増加分を一部考慮したが、変動費率の影響を過小評価。
  • ウ(4,000万円):正解。固定費増加と変動費率を正しく考慮した計算結果。
  • エ(5,000万円):過剰に売上高増加額を見積もり、利益目標を超過してしまう。

補足コラム

変動費率は売上高に比例して増減する費用の割合を示します。
固定費は売上高に関係なく一定であり、設備投資による減価償却費の増加は固定費の増加に該当します。
この問題は損益分岐点分析や利益計画の基礎を理解する上で重要な典型問題です。

FAQ

Q: 変動費率が変わらないとはどういう意味ですか?
A: 売上高が増えても変動費は売上高の一定割合で増えるため、変動費率は一定のまま変わらないことを指します。
Q: 固定費が増えた場合、売上総利益はどう影響しますか?
A: 固定費の増加は売上総利益を直接減少させるため、売上高を増やして利益を補填する必要があります。

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