ITストラテジスト試験 2024年 午前205


“情報システム・モデル取引・契約書<第二版>”によれば、ウォーターフォールモデルによるシステム開発において、ユーザー(取得者)とベンダー(供給者)間で請負型の契約を基本とするフェーズはどれか。
問題画像
システム化計画フェーズから受入・導入支援フェーズまで
要件定義フェーズから受入・導入支援フェーズまで
要件定義フェーズからシステム結合フェーズまで
システム内部設計フェーズからシステム結合フェーズまで(正解)

解説

ウォーターフォールモデルにおける請負型契約の基本フェーズ【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:請負型契約の基本フェーズは「システム内部設計からシステム結合まで」の範囲である。
  • 根拠:ウォーターフォールモデルでは、要件定義や外部設計は仕様確定の段階であり、実際の成果物作成は内部設計以降に集中するため。
  • 差がつくポイント:契約形態とフェーズの対応を正確に理解し、設計・開発・結合テストの範囲を請負契約と認識することが重要。

正解の理由

ウォーターフォールモデルにおいて、ユーザー(取得者)とベンダー(供給者)間の請負型契約は、具体的な成果物をベンダーが納入するフェーズに適用されます。
「システム内部設計」から「システム結合」までの工程は、詳細設計、プログラミング、単体テスト、結合テストなどの実作業が含まれ、ベンダーの責任範囲が明確です。
このため、契約の基本フェーズとして「エ」が正解となります。

よくある誤解

要件定義や外部設計も契約範囲と誤解しやすいですが、これらは仕様決定の段階であり、請負契約の成果物作成フェーズではありません。

解法ステップ

  1. ウォーターフォールモデルの各フェーズの役割を理解する。
  2. 請負契約が適用されるのは成果物の納入が明確なフェーズであることを確認する。
  3. 問題文の図の矢印とフェーズの対応を照合する。
  4. 「システム内部設計」から「システム結合」までの範囲が請負契約の基本フェーズであると判断する。
  5. 選択肢の中から該当する「エ」を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:システム化計画から受入・導入支援までの全工程は広すぎて、請負契約の基本範囲とは言えません。
  • イ:要件定義から受入・導入支援まででは、仕様決定前の段階も含まれ、契約範囲として不適切です。
  • ウ:要件定義からシステム結合まででは、内部設計前の外部設計など仕様決定段階も含まれ、請負契約の範囲としては広すぎます。
  • :システム内部設計からシステム結合までが、成果物作成の中心であり請負契約の基本フェーズとして正しい。

補足コラム

ウォーターフォールモデルは段階的に進む開発手法で、各フェーズの成果物が次のフェーズの入力となります。
請負契約は成果物の納入責任を明確にするため、設計・開発・テストの実作業が中心のフェーズに適用されます。
一方、要件定義や外部設計はユーザーとの合意形成が主目的であり、契約形態は準委任型や協議型が多いです。

FAQ

Q: 請負契約と準委任契約の違いは何ですか?
A: 請負契約は成果物の完成を目的とし、ベンダーが責任を持って納品します。準委任契約は作業の遂行を目的とし、成果物の完成保証はありません。
Q: ウォーターフォールモデルで請負契約が適用されにくいフェーズはどこですか?
A: 要件定義やシステム化計画など、仕様や計画の策定段階は請負契約よりも準委任契約が多いです。

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