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ITストラテジスト試験 2024年 午前2 問17
SNSやWeb検索などに関して、イーライ・パリサーが提唱したフィルターバブルの記述として、適切なものはどれか。
ア:PCやスマートフォンなど、使用する機器の性能やソフトウェアの機能に応じて、利用者は情報へのアクセスにフィルターがかかっており、様々な格差が生じている。
ウ:広告収入を目的に、事実とは異なるフィルターのかかったニュースがSNSなどを通じて発信されるようになったので、正確な情報を検索することが困難になった。
エ:利用者の属性・行動などに応じ、好ましいと考えられる情報がより多く表示され、利用者は実社会とは隔てられたパーソナライズされた情報空間へと包まれる。(正解)
イ:SNSで一般のインターネット利用者が発信する情報が増えたことによって、Web検索の結果は非常に膨大なものとなり、個人による適切な情報収集が難しくなった。
解説
SNSやWeb検索に関するフィルターバブルの記述【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:フィルターバブルとは、利用者の属性や行動に基づき情報がパーソナライズされ、現実の多様な情報から隔離される現象です。
- 根拠:イーライ・パリサーは、SNSや検索エンジンが利用者に好ましい情報を優先的に表示し、多様な視点が得られにくくなることを指摘しました。
- 差がつくポイント:単なる情報過多や誤情報の問題ではなく、「利用者ごとに異なる情報空間に閉じ込められる」点を正確に理解することが重要です。
正解の理由
選択肢エは、フィルターバブルの本質を的確に表現しています。利用者の属性や過去の行動履歴に基づき、好ましい情報が優先的に表示されるため、利用者は多様な情報に触れにくくなり、実社会の多様な意見や情報から隔離された状態に陥ります。これはイーライ・パリサーが提唱したフィルターバブルの核心であり、情報の偏りや閉塞感を生む現象です。
よくある誤解
フィルターバブルは単なる情報量の多さや誤情報の拡散ではなく、個人ごとに異なる情報空間に閉じ込められることを指します。情報格差やフェイクニュースとは異なる概念です。
解法ステップ
- 問題文の「イーライ・パリサーが提唱したフィルターバブル」に注目する。
- フィルターバブルの定義を思い出す:利用者の行動や属性に基づく情報のパーソナライズ。
- 各選択肢をフィルターバブルの定義と照らし合わせる。
- 「利用者が実社会とは隔てられた情報空間に包まれる」という表現が正しいか確認。
- 最も適切な選択肢エを選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 機器性能やソフトの機能による情報格差は「デジタルデバイド」の問題であり、フィルターバブルとは異なります。
- イ: 情報量の増加による収集困難は「情報過多」の問題で、フィルターバブルの説明ではありません。
- ウ: フェイクニュースの拡散は社会問題ですが、フィルターバブルの定義とは異なり、情報の偏りの原因の一つに過ぎません。
- エ: 利用者の属性・行動に応じて好ましい情報が優先され、実社会から隔離される状態を正しく表現しています。
補足コラム
フィルターバブルは、SNSや検索エンジンのアルゴリズムが利用者の興味や過去の行動を分析し、関連性の高い情報を優先的に表示することで生じます。これにより、異なる意見や新しい視点に触れにくくなり、社会的な分断や偏見の助長につながる懸念があります。対策としては、多様な情報源を意識的に利用することが推奨されています。
FAQ
Q: フィルターバブルとエコーチェンバーは同じですか?
A: 似ていますが、フィルターバブルはアルゴリズムによる情報のパーソナライズ、エコーチェンバーは同じ意見の人々が集まることで意見が強化される現象を指します。
A: 似ていますが、フィルターバブルはアルゴリズムによる情報のパーソナライズ、エコーチェンバーは同じ意見の人々が集まることで意見が強化される現象を指します。
Q: フィルターバブルはどのようにして発生しますか?
A: SNSや検索エンジンのアルゴリズムが利用者の過去の行動や属性を分析し、好ましい情報を優先的に表示することで発生します。
A: SNSや検索エンジンのアルゴリズムが利用者の過去の行動や属性を分析し、好ましい情報を優先的に表示することで発生します。
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