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ITストラテジスト試験 2024年 午前2 問21
EVA(経済的付加価値)の算出方法を説明したものはどれか。
ア:効果の現在価値と投資額の差がゼロになる資本コストを求める。
イ:税引後営業利益から資本コストを引いて金額を求める。(正解)
ウ:投資額に対してどれだけ利益を生み出しているかを求める。
エ:投資額を回収するのに必要な期間(年数)を求める。
解説
EVA(経済的付加価値)の算出方法とは【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:EVAは「税引後営業利益から資本コストを差し引いた金額」で算出されます。
- 根拠:EVAは企業が資本コストを上回る利益を生み出しているかを示す指標で、経済的利益を評価します。
- 差がつくポイント:資本コストを考慮する点が重要で、単なる利益や回収期間とは異なる概念です。
正解の理由
選択肢イは「税引後営業利益から資本コストを引いて金額を求める」とあり、EVAの定義に完全に合致しています。EVAは企業の純粋な経済的利益を示す指標で、税引後営業利益(NOPAT)から資本コスト(投資資本×資本コスト率)を差し引くことで算出されます。これにより、企業が資本を使ってどれだけ価値を創出したかが明確になります。
よくある誤解
EVAは単なる利益額や回収期間ではなく、資本コストを考慮した「経済的利益」を示す指標です。利益だけを見てEVAと混同しないよう注意が必要です。
解法ステップ
- EVAの定義を確認する:「税引後営業利益から資本コストを差し引いた金額」
- 各選択肢の内容をEVAの定義と照らし合わせる
- 資本コストを考慮しているかを判断する
- 資本コストを差し引く方法を示している選択肢を選ぶ
選択肢別の誤答解説
- ア: 「効果の現在価値と投資額の差がゼロになる資本コストを求める」は内部収益率(IRR)に関する説明でEVAとは異なります。
- イ: 正解。EVAの定義通り、税引後営業利益から資本コストを引いて算出します。
- ウ: 「投資額に対してどれだけ利益を生み出しているか」はROIやROICの説明に近く、EVAの算出方法ではありません。
- エ: 「投資額を回収するのに必要な期間」は回収期間法の説明であり、EVAとは無関係です。
補足コラム
EVAは経済的付加価値とも呼ばれ、企業価値評価や経営効率の指標として用いられます。資本コストを超える利益を生み出しているかを示すため、経営判断や投資評価に役立ちます。EVAがプラスであれば企業は資本コスト以上の価値を創出していることになります。
FAQ
Q: EVAと利益の違いは何ですか?
A: 利益は単純な収益から費用を差し引いた額ですが、EVAはそこから資本コストを差し引き、資本の機会費用を考慮した経済的利益を示します。
A: 利益は単純な収益から費用を差し引いた額ですが、EVAはそこから資本コストを差し引き、資本の機会費用を考慮した経済的利益を示します。
Q: 資本コストとは何ですか?
A: 資本コストは企業が資金を調達する際のコストで、株主や債権者に支払う期待収益率のことを指します。
A: 資本コストは企業が資金を調達する際のコストで、株主や債権者に支払う期待収益率のことを指します。
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