情報処理安全確保支援士試験 2009年 秋期 午前216


ネットワークのQoSで使用されるトラフィック制御方式に関する説明のうち,適切なものはどれか。
通信を開始する前にネットワークに対して帯域などのリソースを要求し、確保の状況に応じて通信を制御することを,アドミッション制御という。(正解)
入力されたトラフィックが規定された最大速度を超過しないか監視し,超過分のパケットを破棄するか優先度を下げる制御を,シェーピングという。
パケットの送出間隔を調整することによって,規定された最大速度を超過しないようにトラフィックを平準化する制御を、ポリシングという。
フレームの種類やあて先に応じて優先度を変えて中継することを,ベストエフォートという。

解説

ネットワークのQoSで使用されるトラフィック制御方式に関する説明【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:通信前に帯域などのリソースを確保する制御は「アドミッション制御」であり、これが正しい説明です。
  • 根拠:アドミッション制御はQoSの基本で、ネットワークの過負荷を防ぎ、サービス品質を保証します。
  • 差がつくポイント:シェーピングやポリシングの違い、ベストエフォートの意味を正確に理解し、用語の混同を避けることが重要です。

正解の理由

アの「通信を開始する前にネットワークに対して帯域などのリソースを要求し、確保の状況に応じて通信を制御することをアドミッション制御という」は、QoSにおけるリソース管理の基本的な考え方を正確に表しています。通信開始前にリソースを確保することで、通信品質を保証し、ネットワークの過負荷を防止します。

よくある誤解

シェーピングとポリシングは似ていますが、シェーピングは送出間隔の調整でトラフィックを平準化し、ポリシングは超過パケットの破棄や優先度低下を行います。ベストエフォートは優先度制御ではなく、品質保証なしのサービス形態です。

解法ステップ

  1. 問題文のキーワード「通信を開始する前にリソースを要求」に注目する。
  2. 各選択肢の用語の意味を整理する。
  3. アドミッション制御はリソース確保のための制御であることを確認。
  4. シェーピングはトラフィックの速度調整、ポリシングは超過パケットの処理であることを理解。
  5. ベストエフォートは優先度制御ではなく、品質保証なしのサービスであることを認識。
  6. 以上からアが正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。通信開始前に帯域などのリソースを確保する制御をアドミッション制御という。
  • イ: 誤り。シェーピングはトラフィックの送出速度を調整し平準化する制御であり、超過分の破棄は行わない。
  • ウ: 誤り。ポリシングは規定速度を超えたパケットを破棄または優先度を下げる制御であり、送出間隔の調整はシェーピング。
  • エ: 誤り。ベストエフォートは優先度を変える制御ではなく、品質保証なしで可能な限りのサービスを提供する方式。

補足コラム

QoS(Quality of Service)はネットワーク上で通信品質を保証するための技術群です。アドミッション制御は帯域確保の第一歩であり、これにより遅延やパケットロスを抑制します。シェーピングとポリシングはトラフィックの速度制御に使われ、ベストエフォートはQoSを提供しない標準的な通信方式です。

FAQ

Q: アドミッション制御はどのような場面で使われますか?
A: 音声通話や動画配信など、一定の通信品質が必要なサービスで帯域を確保するために使われます。
Q: シェーピングとポリシングの違いは何ですか?
A: シェーピングは送出速度を調整してトラフィックを平準化し、ポリシングは超過パケットを破棄または優先度を下げる制御です。

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