情報処理安全確保支援士試験 2009年 秋期 午前217


電源オフ時にIPアドレスを保持することができない装置が,電源オン時に自装置のMACアドレスから自装置に割り当てられているIPアドレスを知るために用いるデータリンク層のプロトコルで,ブロードキャストを利用するものはどれか。
ARP
DHCP
DNS
RARP(正解)

解説

電源オフ時にIPアドレスを保持できない装置がMACアドレスからIPアドレスを知るために使うプロトコル【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:電源オフ時にIPアドレスを保持できない装置が自分のMACアドレスからIPアドレスを知るために使うのはRARPです。
  • 根拠:RARPはデータリンク層で動作し、ブロードキャストを利用してMACアドレスからIPアドレスを問い合わせるプロトコルだからです。
  • 差がつくポイント:ARPはIPアドレスからMACアドレスを調べるのに対し、RARPはその逆である点を正確に理解することが重要です。

正解の理由

RARP(Reverse Address Resolution Protocol)は、装置が自分のMACアドレスを使ってネットワーク上のRARPサーバにIPアドレスを問い合わせるためのプロトコルです。電源オフ時にIPアドレスを保持できない装置(例:ディスクレス端末)が起動時に自分のIPアドレスを知るために利用します。RARPはデータリンク層で動作し、ブロードキャストで問い合わせを行うため、問題文の条件に合致します。

よくある誤解

ARPとRARPは名前が似ているため混同されやすいですが、ARPはIPアドレスからMACアドレスを調べるのに対し、RARPはMACアドレスからIPアドレスを調べる点が異なります。

解法ステップ

  1. 問題文の条件「電源オフ時にIPアドレスを保持できない装置」を確認する。
  2. 「MACアドレスからIPアドレスを知る」必要があることを理解する。
  3. データリンク層で動作し、ブロードキャストを利用するプロトコルを選ぶ。
  4. 選択肢の中でMACアドレスからIPアドレスを取得するプロトコルがRARPであることを判断する。
  5. よって正解はとなる。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ARP
    IPアドレスからMACアドレスを調べるプロトコルであり、逆方向の問い合わせには使いません。
  • イ: DHCP
    IPアドレスを動的に割り当てるプロトコルですが、MACアドレスからIPアドレスを問い合わせるためのデータリンク層プロトコルではありません。
  • ウ: DNS
    ドメイン名をIPアドレスに変換するアプリケーション層のプロトコルであり、MACアドレスとは無関係です。
  • エ: RARP
    MACアドレスからIPアドレスを取得するためのデータリンク層プロトコルで、電源オフ時にIPアドレスを保持できない装置が起動時に利用します。

補足コラム

RARPはかつてディスクレスワークステーションなどで利用されていましたが、現在ではDHCPが主流となり、RARPはほとんど使われていません。DHCPはIPアドレスの割り当てだけでなく、サブネットマスクやデフォルトゲートウェイなどの情報も提供できるため、より柔軟で便利です。

FAQ

Q: ARPとRARPの違いは何ですか?
A: ARPはIPアドレスからMACアドレスを調べるのに対し、RARPはMACアドレスからIPアドレスを調べるプロトコルです。
Q: DHCPはなぜこの問題の正解ではないのですか?
A: DHCPはIPアドレスを割り当てるプロトコルであり、データリンク層ではなくアプリケーション層で動作します。また、ブロードキャストを使いますが、MACアドレスからIPアドレスを直接問い合わせるプロトコルではありません。

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