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情報処理安全確保支援士試験 2009年 秋期 午前2 問19
イーサネットのレイヤ2で使用されるプロトコルで,ネットワークを冗長化させる際にループの発生を防ぐものはどれか。
ア:IGMP
イ:RIP
ウ:SIP
エ:スパニングツリープロトコル(正解)
解説
イーサネットのレイヤ2で使用されるプロトコルでネットワークのループ防止【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:イーサネットのレイヤ2でループを防ぐのはスパニングツリープロトコル(STP)です。
- 根拠:STPは冗長化されたネットワークでループを検出し、特定の経路をブロックしてループを回避します。
- 差がつくポイント:ルーティングプロトコルやマルチキャスト管理とは異なり、STPはレイヤ2スイッチ間の物理的ループ制御に特化しています。
正解の理由
スパニングツリープロトコル(STP)は、イーサネットのレイヤ2で動作し、ネットワークの冗長化に伴うループを防止するために設計されたプロトコルです。複数の経路が存在するときにループが発生すると、フレームが無限に回り続けてネットワークが輻輳します。STPはブリッジ間で情報を交換し、ループを形成する経路の一部を論理的に遮断(ブロック)することで、ループの発生を防ぎます。これにより、冗長構成のメリットを活かしつつ安定した通信を実現します。
よくある誤解
ルーティングプロトコルのRIPやマルチキャスト管理のIGMPがループ防止に関係すると誤解されがちですが、これらはレイヤ3以上の役割であり、レイヤ2のループ制御はSTPが担当します。
解法ステップ
- 問題文から「イーサネットのレイヤ2」と「ループ防止」をキーワードとして抽出する。
- レイヤ2でループ防止に使われるプロトコルを思い出す。
- 選択肢の中でSTP(スパニングツリープロトコル)が該当することを確認する。
- 他の選択肢がレイヤ3以上のプロトコルであることを理解し、除外する。
- よって「エ」が正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: IGMP
マルチキャストグループ管理のためのプロトコルであり、ループ防止とは無関係です。 - イ: RIP
ルーティング情報を交換するプロトコルで、レイヤ3で動作しループ防止はルーティングループに関するものです。 - ウ: SIP
セッション開始プロトコルであり、音声や映像の通信制御に使われるためネットワークのループ防止とは無関係です。 - エ: スパニングツリープロトコル
イーサネットのレイヤ2でループを防止し、冗長化ネットワークの安定運用を実現します。
補足コラム
スパニングツリープロトコルはIEEE 802.1D規格で定義されており、現在は高速化や拡張機能を持つRSTP(Rapid STP)やMSTP(Multiple STP)などの派生規格もあります。これらは大規模ネットワークでの冗長化と安定性向上に役立っています。
FAQ
Q: スパニングツリープロトコルはどの層で動作しますか?
A: レイヤ2(データリンク層)で動作し、スイッチ間のループ防止を行います。
A: レイヤ2(データリンク層)で動作し、スイッチ間のループ防止を行います。
Q: ルーティングプロトコルのRIPはループ防止に関係ありますか?
A: RIPはルーティングループを防ぐための仕組みを持ちますが、イーサネットのレイヤ2の物理的ループ防止とは異なります。
A: RIPはルーティングループを防ぐための仕組みを持ちますが、イーサネットのレイヤ2の物理的ループ防止とは異なります。
Q: STPがないとネットワークにどんな問題が起きますか?
A: ループが発生し、フレームが無限に回り続けてネットワークが輻輳し通信障害が発生します。
A: ループが発生し、フレームが無限に回り続けてネットワークが輻輳し通信障害が発生します。
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