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情報処理安全確保支援士試験 2009年 春期 午前2 問13
TCP/IPのネットワークにおけるICMPの説明として、適切なものはどれか。
ア:MACアドレスだけが分かっているときにIPアドレスの解決を可能にする。
イ:グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスを相互に変換する。
ウ:送信元ホストへ、IPパケットの送信エラー報告などの制御メッセージを通知する。(正解)
エ:ネットワーク内のIPアドレスを一元管理し、クライアントに動的に割り当てる。
解説
TCP/IPのネットワークにおけるICMPの説明【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ICMPはIPパケットの送信エラーや制御メッセージを送信元ホストに通知するプロトコルです。
- 根拠:ICMPはIP層の補助的な役割を持ち、通信状態の確認やエラー報告に使われます。
- 差がつくポイント:ARPやNAT、DHCPなど他のネットワーク技術と混同せず、ICMPの役割を正確に理解することが重要です。
正解の理由
選択肢ウは「送信元ホストへ、IPパケットの送信エラー報告などの制御メッセージを通知する」とあり、ICMPの本質的な機能を正確に表しています。ICMPはIP層のエラーメッセージや診断メッセージ(例:pingの応答)を扱い、ネットワークのトラブルシューティングに不可欠です。
よくある誤解
ICMPはIPアドレスの割り当てや変換を行うものではなく、エラー通知や通信状態の確認に特化したプロトコルです。ARPやDHCPと混同しやすい点に注意が必要です。
解法ステップ
- 問題文の「ICMP」の役割を思い出す。
- 各選択肢の説明がICMPの機能に合致しているかを検証する。
- ARP(MACアドレスとIPアドレスの対応)、NAT(IPアドレス変換)、DHCP(IPアドレス割当)との違いを明確にする。
- ICMPがエラーメッセージや制御メッセージを送信元に通知することを確認し、該当する選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: MACアドレスからIPアドレスを解決するのはARPの役割であり、ICMPではありません。
- イ: グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの変換はNATの機能で、ICMPとは無関係です。
- ウ: 送信元ホストへIPパケットの送信エラー報告などの制御メッセージを通知するのがICMPの正しい役割です。
- エ: IPアドレスの一元管理と動的割当はDHCPの機能であり、ICMPの説明としては誤りです。
補足コラム
ICMP(Internet Control Message Protocol)は、IP通信の補助的なプロトコルで、ネットワークの状態を監視し、問題発生時に通知を行います。代表的なICMPメッセージには「エコー要求(ping)」や「宛先到達不能」などがあり、ネットワーク管理者にとって重要な診断ツールです。
FAQ
Q: ICMPはどのOSI参照モデルの層に属しますか?
A: ICMPはネットワーク層(第3層)に属し、IPプロトコルの一部として機能します。
A: ICMPはネットワーク層(第3層)に属し、IPプロトコルの一部として機能します。
Q: pingコマンドはICMPのどの機能を利用していますか?
A: pingはICMPのエコー要求とエコー応答メッセージを利用して通信の疎通確認を行います。
A: pingはICMPのエコー要求とエコー応答メッセージを利用して通信の疎通確認を行います。
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