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情報処理安全確保支援士試験 2009年 春期 午前2 問23
データベースサーバのハードディスクに障害が発生した場合でもサービスを続行できるようにするための方策として、最も適切なものはどれか。
ア:共通データベースの格納場所を複数のハードディスクに分散させる。
イ:サーバのディスクを二重化し、通常稼働時は同時に二つのディスクに書き込む。(正解)
ウ:サーバの予備機を設置し,OSとアプリケーションソフトを本番機と同じ構成にして待機させておく。
エ:別のディスクにデータベースを毎週末にコピーする。
解説
データベースサーバのハードディスク障害対策【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ハードディスクの二重化(ミラーリング)により障害時もサービス継続が可能です。
- 根拠:二重化はリアルタイムでデータを複製し、片方のディスク障害時に即座に切り替えられます。
- 差がつくポイント:単なる分散や定期コピーでは障害時の即時復旧ができず、予備機はコストと切り替え時間が課題です。
正解の理由
選択肢イは「サーバのディスクを二重化し、通常稼働時は同時に二つのディスクに書き込む」方法で、これはRAID1(ミラーリング)に相当します。ミラーリングはデータをリアルタイムに複製するため、片方のディスクに障害が発生してももう一方のディスクから即座に読み書きが可能です。これによりサービスの継続性が確保され、ダウンタイムを最小限に抑えられます。
よくある誤解
- データを複数ディスクに分散するだけでは、障害時に即座に切り替えられずサービス停止のリスクがあります。
- 週末のコピーは障害発生時の最新データ復旧に時間がかかり、サービス継続には不十分です。
解法ステップ
- 問題文から「障害発生時もサービスを続行できる」ことが条件と分かる。
- 各選択肢の特徴を理解し、リアルタイム性と即時復旧の観点で比較する。
- ディスク二重化(ミラーリング)はリアルタイム複製で即時切替可能と判断。
- 他の選択肢はリアルタイム性や即時復旧に欠けるため不適切と結論付ける。
選択肢別の誤答解説
- ア: 複数ディスクに分散は負荷分散や容量拡張には有効だが、障害時の即時復旧にはならない。
- イ: 正解。ディスク二重化でリアルタイム複製し、障害時もサービス継続可能。
- ウ: 予備機は障害時に切り替えが必要で、切替時間がかかりサービス継続とは言い難い。
- エ: 週末コピーは最新データの損失リスクがあり、障害発生直後のサービス継続には不向き。
補足コラム
RAID(Redundant Array of Independent Disks)は複数のディスクを組み合わせて信頼性や性能を向上させる技術です。RAID1はミラーリングと呼ばれ、同じデータを2台のディスクに同時書き込みし、片方の障害時にもう片方から読み出せるため高可用性を実現します。データベースサーバではRAID1やRAID10がよく使われます。
FAQ
Q: RAID1以外に障害対策でよく使われるRAIDレベルは?
A: RAID5やRAID6はパリティ情報を使い容量効率を高めつつ障害耐性を持ちますが、書き込み性能が低下する場合があります。
A: RAID5やRAID6はパリティ情報を使い容量効率を高めつつ障害耐性を持ちますが、書き込み性能が低下する場合があります。
Q: 予備機を使った障害対策はなぜ即時サービス継続に不向き?
A: 予備機への切り替えには手動または自動のフェイルオーバー処理が必要で、切替時間が発生しサービス停止時間が生じるためです。
A: 予備機への切り替えには手動または自動のフェイルオーバー処理が必要で、切替時間が発生しサービス停止時間が生じるためです。
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