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情報処理安全確保支援士試験 2010年秋期午前2 問02

作成者によってディジタル署名された電子文書に、タイムスタンプ機関がタイムスタンプを付与した。この電子文書を公開する場合のタイムスタンプの効果のうち、適切なものはどれか。

ア：タイムスタンプを付与した時刻以降に、作成者が、電子文書の内容をほかの電子文書へコピーして流用することを防止する。

イ：タイムスタンプを付与した時刻以降に、第三者が、電子文書の内容をほかの電子文書へコピーして流用することを防止する。

ウ：電子文書が、タイムスタンプの時刻以前に存在したことを示し、作成者が、電子文書の作成を否認することを防止する。（正解）

エ：電子文書が、タイムスタンプの時刻以前に存在したことを示し、第三者が、電子文書を改ざんすることを防止する。

解説

作成者によってディジタル署名された電子文書にタイムスタンプを付与した場合の効果【午前2 解説】

要点まとめ

結論：タイムスタンプは電子文書が特定の時刻以前に存在したことを証明し、作成者の否認を防止します。
根拠：タイムスタンプ機関が付与する時刻情報は改ざん困難で、文書の存在証明として法的効力を持ちます。
差がつくポイント：タイムスタンプは「存在証明」と「否認防止」が主目的であり、コピーや流用の防止には直接関係しません。

正解の理由

選択肢ウは「電子文書がタイムスタンプの時刻以前に存在したことを示し、作成者が作成を否認することを防止する」と述べています。
これはタイムスタンプの本質的な役割であり、電子文書の存在証明と作成者の否認防止に直結します。
タイムスタンプは第三者機関が付与するため、後から文書の存在を偽ることが困難になるため、法的証拠として有効です。

よくある誤解

タイムスタンプは文書のコピーや流用を防止するものではなく、改ざん検知や存在証明に使われます。
また、第三者の改ざん防止は署名やハッシュ値の検証で担保され、タイムスタンプ自体は改ざん防止の直接的な機能ではありません。

解法ステップ

タイムスタンプの基本機能を理解する（存在証明と否認防止）。
選択肢の内容がタイムスタンプの役割に合致しているかを確認する。
コピーや流用の防止はタイムスタンプの機能外であることを認識する。
作成者の否認防止に関する記述がある選択肢を選ぶ。
最終的に「電子文書の存在証明」と「否認防止」を示す選択肢を正解とする。

選択肢別の誤答解説

ア: 作成者が文書をコピーして流用することを防止する機能はタイムスタンプにはありません。
イ: 第三者によるコピーや流用防止もタイムスタンプの役割ではなく、アクセス制御や著作権管理の範囲です。
ウ: 電子文書がタイムスタンプ時刻以前に存在したことを証明し、作成者の否認防止に寄与するため正解です。
エ: 第三者による改ざん防止は署名やハッシュ値の検証で担保され、タイムスタンプ自体は改ざん防止の直接的な機能ではありません。

補足コラム

タイムスタンプは電子文書の信頼性を高めるために重要な技術です。
特に電子契約や電子申請などで、文書の作成日時を証明し、後からの否認を防ぐ役割を果たします。
また、タイムスタンプはブロックチェーン技術と組み合わせて改ざん耐性を強化するケースも増えています。

FAQ

Q: タイムスタンプは電子文書の改ざんを防止できますか？
A: タイムスタンプ自体は改ざん防止機能ではなく、改ざんがあれば検知できる証明手段です。

Q: タイムスタンプは誰が発行しますか？
A: 信頼された第三者機関（タイムスタンプ機関）が発行し、時刻の正確性と信頼性を保証します。

Q: タイムスタンプはコピーや流用を防止しますか？
A: いいえ、コピーや流用の防止は別の技術や管理策が必要です。

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