情報処理安全確保支援士試験 2010年 秋期 午前217


1 台のサーバと複数台のクライアントが、100M ビット/秒の LAN で接続されている。業務のピーク時には、クライアント1台につき1分当たり600k バイトのデータをサーバからダウンロードする。このとき、同時使用してもピーク時に業務を滞りなく遂行できるクライアント数は何台までか。ここで、LAN の伝送効率は50%、サーバ及びクライアント内の処理時間は無視できるものとし、1Mビット/秒=10610^6ビット/秒、1kバイト=1,000バイトとする。
10
625(正解)
1,250
5,000

解説

1台のサーバと複数台のクライアントが、100Mビット/秒のLANで接続されている問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ピーク時に滞りなく業務を遂行できるクライアント数は625台である。
  • 根拠:LANの実効速度は伝送効率50%を考慮し、100Mビット/秒の半分の50Mビット/秒となる。
  • 差がつくポイント:単位変換(ビット・バイト・秒・分)と伝送効率の適用を正確に行うことが重要である。

正解の理由

問題のLAN速度は100Mビット/秒ですが、伝送効率が50%なので実際に使える帯域は50Mビット/秒です。
クライアント1台あたりのデータ量は600kバイト/分=600,000バイト/60秒=10,000バイト/秒です。
これをビットに換算すると、10,000バイト×8ビット=80,000ビット/秒。
したがって、同時に扱えるクライアント数は、50,000,000ビット/秒 ÷ 80,000ビット/秒 = 625台となり、選択肢のイが正解です。

よくある誤解

伝送効率を考慮せずに100Mビット/秒のまま計算したり、1kバイトを1024バイトと誤認することが多いです。

解法ステップ

  1. LANの実効速度を計算する(100Mビット/秒 × 50% = 50Mビット/秒)。
  2. クライアント1台あたりのデータ量を秒単位に変換する(600,000バイト/分 → 10,000バイト/秒)。
  3. バイトをビットに換算する(10,000バイト × 8 = 80,000ビット/秒)。
  4. 実効速度を1台あたりのビット数で割り、同時処理可能なクライアント数を求める(50,000,000 ÷ 80,000 = 625台)。
  5. 選択肢から該当する数値を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 10
    伝送効率や単位換算を誤り、極端に少ない数値を選んでいる。
  • イ: 625
    正解。伝送効率と単位換算を正しく適用している。
  • ウ: 1,250
    伝送効率50%を考慮せずに計算した場合の値。100Mビット/秒 ÷ 80,000ビット/秒 = 1,250台。
  • エ: 5,000
    伝送効率や単位換算を誤り、過大評価している。

補足コラム

伝送効率とは、物理的な通信速度に対して実際に有効に使えるデータ転送速度の割合を示します。ネットワークのプロトコルオーバーヘッドや制御信号などが原因で、理論値より低くなります。
また、1kバイトを1,000バイトとするSI単位系と、1,024バイトとするコンピュータの慣習が混在するため、問題文の単位定義を必ず確認しましょう。

FAQ

Q: 伝送効率が50%とは具体的に何を意味しますか?
A: 物理的な通信速度の半分しか実際のデータ転送に使えないことを意味し、制御情報やエラー訂正などに帯域が使われています。
Q: なぜ1kバイトを1,000バイトとするのですか?
A: 問題文で明示されているため、SI単位系に基づいて計算する必要があります。混同しないよう注意しましょう。

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