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情報処理安全確保支援士試験 2010年 秋期 午前2 問18
LAN の制御方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア:CSMA/CD方式では、単位時間当たりの送出フレーム数が増していくと、衝突の頻度が増すので、スループットはある値をピークとして、その後下がる。(正解)
イ:CSMA/CD方式では、一つの装置から送出されたフレームが順番に各装置に伝送されるので、リング状の LAN に適している。
ウ:TDMA方式では、伝送路上におけるフレームの伝搬遅延時間による衝突が発生する。
エ:トークンアクセス方式では、トークンの巡回によって送信権を管理しているので、トラフィックが増大すると、CSMA/CD 方式に比べて伝送効率が急激に低下する。
解説
LAN の制御方式に関する問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:CSMA/CD方式は送信フレーム数が増えると衝突が増え、スループットはピーク後に低下します。
- 根拠:衝突検出と再送制御により、過負荷時の効率が悪化するためです。
- 差がつくポイント:各制御方式の特徴と適用環境、衝突の発生メカニズムを正確に理解することが重要です。
正解の理由
アの「CSMA/CD方式では、単位時間当たりの送出フレーム数が増していくと、衝突の頻度が増すので、スループットはある値をピークとして、その後下がる。」は正しいです。CSMA/CDは送信前にキャリア検出を行い、衝突が起きると検出して再送を試みます。送信要求が増えると衝突が多発し、再送が増えるため効率が低下し、スループットはピークを迎えた後に下がります。
よくある誤解
CSMA/CDはリング状LANに適していると誤解されがちですが、実際はバス型LANに適用されます。トークン方式は負荷増加時に効率が急激に落ちるわけではありません。
解法ステップ
- 各制御方式の基本動作を確認する(CSMA/CD、TDMA、トークンアクセス)。
- CSMA/CDの衝突検出と再送制御の特徴を理解する。
- リング状LANに適した方式はトークンアクセスであることを押さえる。
- TDMAは時間割り当て方式で衝突は基本的に起きないことを確認する。
- トークン方式は負荷増加時も安定した効率を保つことを知る。
- 選択肢の記述と照らし合わせて正誤を判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。CSMA/CDのスループット特性を正しく述べている。
- イ: 誤り。CSMA/CDはバス型LAN向けで、リング状LANにはトークン方式が適している。
- ウ: 誤り。TDMAは時間割り当て方式で衝突は基本的に発生しない。伝搬遅延による衝突はCSMA/CDの問題。
- エ: 誤り。トークン方式はトラフィック増加時も効率が安定し、CSMA/CDより急激に低下しない。
補足コラム
CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)はイーサネットの初期のアクセス制御方式で、バス型ネットワークでの衝突を検出し再送制御を行います。一方、トークンアクセス方式はトークンリングなどで使われ、送信権をトークンの受け渡しで管理し、衝突を根本的に防止します。TDMAは無線通信などで使われ、時間を区切って送信を割り当てる方式です。
FAQ
Q: CSMA/CD方式はどのようなネットワークに適していますか?
A: 主にバス型の有線LANに適しており、イーサネットの初期規格で採用されました。
A: 主にバス型の有線LANに適しており、イーサネットの初期規格で採用されました。
Q: トークンアクセス方式はなぜ衝突が起きにくいのですか?
A: 送信権を持つ装置だけが送信できるため、同時送信による衝突が発生しません。
A: 送信権を持つ装置だけが送信できるため、同時送信による衝突が発生しません。
Q: TDMA方式で衝突が起きることはありますか?
A: 基本的に時間割り当てにより送信が制御されるため、衝突は発生しません。
A: 基本的に時間割り当てにより送信が制御されるため、衝突は発生しません。
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