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情報処理安全確保支援士試験 2010年 春期 午前223


SOA(ServiceOrientedArchitecture)の説明はどれか。
Webサービスを利用するためのインタフェースやプロトコルを規定したものである。
XMLを利用して,インターネット上に存在するWebサービスを検索できる仕組みである。
業務機能を提供するサービスを組み合わせることによって,システムを構築する考え方である。(正解)
サービス提供者と委託者との間でサービスの内容,範囲及び品質に対する要求水準を明確にして,あらかじめ合意を得ておくことである。

解説

SOA(Service Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)は、システム設計の考え方の一つです。以下で選択肢ごとに解説しながら、なぜ「ウ」が正解なのかを詳しく説明します。

選択肢ごとの解説


  • 「Webサービスを利用するためのインタフェースやプロトコルを規定したもの」
    これはSOAPやRESTといったWebサービスの技術的な仕様に関する説明であり、SOAの説明とは異なります。SOAはアーキテクチャ(設計思想)で、技術仕様に限定されたものではありません。

  • 「XMLを利用して、インターネット上に存在するWebサービスを検索できる仕組み」
    これはUDDI(Universal Description, Discovery, and Integration)というWebサービスのレジストリに関する説明です。UDDIはSOAで使われることもありますが、SOA自体の定義ではありません。

  • 「業務機能を提供するサービスを組み合わせることによって、システムを構築する考え方」
    これがSOAの正しい説明です。SOAは「サービス」という単位でシステムを分割し、業務単位の機能を独立したサービスとして提供・利用します。これにより、柔軟かつ拡張性の高いシステム設計が可能になります。

  • 「サービス提供者と委託者との間でサービスの内容、範囲及び品質に対する要求水準を明確にし、あらかじめ合意を得ておくこと」
    これはSLA(Service Level Agreement:サービスレベル合意)の説明であり、SOAの説明ではありません。

SOAの基本概念

SOAでは、システムは「サービス」の集合体として設計されます。ここでいう「サービス」とは、業務の一部機能を独立して提供するコンポーネントのことです。このサービスは明確なインターフェースを持ち、他のサービスやクライアントから利用可能です。
SOAのメリットは以下の通りです。
  • 再利用性の向上
    一度作ったサービスを複数のシステムやアプリケーションで利用可能です。
  • 拡張性・柔軟性の向上
    新しいサービスを追加・組み合わせることで、簡単にシステムを拡張できます。
  • 保守性の向上
    サービス単位で管理するため、影響範囲を限定して変更が可能です。

まとめ

  • SOAは「業務機能を提供するサービスを組み合わせてシステムを構築する考え方」です。
  • 技術的な仕様や契約の話ではなく、あくまでシステム設計のアプローチです。
  • 正解はの「業務機能を提供するサービスを組み合わせることによって、システムを構築する考え方である。」です。
以上の説明から、SOAの本質と正しい理解ができます。試験でも重要なポイントですので、しっかり押さえておきましょう。
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