情報処理安全確保支援士試験 2011年 秋期 午前213


ルートキット (rootkit) を説明したものはどれか。
OS の中核であるカーネル部分の脆弱性を分析するツール
コンピュータがウイルスやワームに感染していないことをチェックするツール
コンピュータやルータのアクセス可能な通信ポートを外部から調査するツール
不正侵入して OSなどに不正に組み込んだものを隠蔽する機能をまとめたツール(正解)

解説

ルートキット (rootkit) を説明したものはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ルートキットは不正侵入者がOSに不正に組み込んだ機能を隠蔽するツール群です。
  • 根拠:ルートキットはシステムの深部に潜み、攻撃の痕跡や不正動作を隠すために使われます。
  • 差がつくポイント:単なる脆弱性分析やウイルス検査ツールではなく、隠蔽機能を持つ点を理解することが重要です。

正解の理由

選択肢エは「不正侵入してOSなどに不正に組み込んだものを隠蔽する機能をまとめたツール」とあり、ルートキットの本質を正確に表しています。ルートキットは攻撃者がシステムに侵入後、痕跡を隠すために用いるソフトウェア群であり、システムの正常な動作を偽装し、不正アクセスやマルウェアの存在を隠蔽します。これにより検知や駆除が困難になるため、セキュリティ上非常に危険です。

よくある誤解

ルートキットは単なるウイルス検査ツールや脆弱性分析ツールではありません。隠蔽機能を持つ攻撃者側のツールである点を混同しやすいです。

解法ステップ

  1. ルートキットの語源と目的を確認する(root=管理者権限、kit=ツール群)。
  2. 選択肢の説明文から「隠蔽」や「不正に組み込む」というキーワードを探す。
  3. 他の選択肢が「分析」「チェック」「調査」など防御的なツールであることを見極める。
  4. ルートキットが攻撃者の隠蔽ツールであることを理解し、該当する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: カーネルの脆弱性分析ツールはセキュリティ診断用であり、ルートキットとは異なります。
  • イ: ウイルスやワームの感染チェックはアンチウイルスソフトの役割で、ルートキットの説明ではありません。
  • ウ: 通信ポートの調査はポートスキャンツールの機能であり、隠蔽とは無関係です。
  • エ: 不正侵入後にOSに組み込まれたものを隠蔽する機能をまとめたツールであり、ルートキットの定義に合致します。

補足コラム

ルートキットはカーネルモードやユーザーモードに存在し、ファイルやプロセス、ネットワーク接続の情報を偽装します。検出が難しいため、侵入後のシステムの完全な再インストールが推奨されることもあります。近年ではクラウド環境やIoT機器にもルートキットの脅威が拡大しています。

FAQ

Q: ルートキットはどのようにしてシステムに侵入するのですか?
A: 多くは脆弱性を突いた攻撃やマルウェアの一部として侵入し、管理者権限を奪取して組み込まれます。
Q: ルートキットを検出する方法はありますか?
A: 専用の検出ツールや異常なシステム挙動の監視で検出を試みますが、完全な検出は難しく、再インストールが推奨されます。

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