ホーム > 情報処理安全確保支援士試験 > 2011年 秋期

情報処理安全確保支援士試験 2011年 秋期 午前223


ソフトウェア開発組織の活動状態のうち, CMMI モデルにおける成熟度レベルが最も高いものはどれか。
作業成果物の状況が, 主要なタスクの完了時点で管理層に対して見える状態になっている。
実績が定量的に把握されており,プロセスが組織的に管理されている。
プロセスが明文化されて, 組織内の全ての人がそれを利用している。
プロセスを継続的に改善していくための仕組みが機能している。(正解)

解説

CMMI(Capability Maturity Model Integration)は、ソフトウェア開発やシステム開発のプロセス改善を評価・指導するモデルで、組織のプロセス成熟度を5段階のレベルで示しています。それぞれのレベルは以下のように特徴づけられます。
  1. レベル1(初期):プロセスは未整備で、作業は個人の能力に依存し、予測困難な状態です。
  2. レベル2(管理):プロジェクトの管理ができており、作業成果物の管理やスケジュールの遵守が行われています。
  3. レベル3(定義):組織全体で標準プロセスが定義・文書化されて、全員が一貫した方法で作業を進めています。
  4. レベル4(定量的管理):プロセスや成果物が数値データとして計測・分析され、統計的な手法で管理されています。
  5. レベル5(最適化):プロセスを継続的に改善するための仕組みがあり、組織が常に新しい技術や方法を取り入れて品質向上を図っています。
問題の選択肢と照らし合わせてみると、
  • ア:作業成果物の状況を管理層が「見える状態にしている」というのは、レベル2の「管理」段階に該当します。
  • イ:実績が定量的に把握され、組織的に管理されているのは、レベル4の「定量的管理」を指します。
  • ウ:プロセスが明文化され、全員が利用しているのはレベル3の「定義」段階です。
  • エ:プロセスを継続的に改善する仕組みが機能しているのは、最も高度なレベル5「最適化」に該当します。
したがって、この中で最も成熟度レベルが高いのは「エ」の状態です。

まとめ

CMMIモデルの成熟度レベルは、組織のプロセス管理能力の向上を段階的に示しています。
特にレベル5では、
  • プロセスの弱点を継続的に分析し、
  • 組織全体で改善活動を推進し、
  • 品質や生産性の向上を目指しています。
このように、レベル5は単に管理するだけでなく、自律的に改善を行う成熟した組織を示すため、「エ」の選択肢が正解です。
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ