ホーム > 情報処理安全確保支援士試験 > 2011年 春期
情報処理安全確保支援士試験 2011年 春期 午前2 問03
PCに内蔵されるセキュリティチップ(TPM: Trusted Platform Module)がもつ機能はどれか。
ア:TPM間の共通鍵の交換
イ:鍵ペアの生成(正解)
ウ:ディジタル証明書の発行
エ:ネットワーク経由の乱数送信
解説
PCに内蔵されるセキュリティチップ(TPM: Trusted Platform Module)がもつ機能はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:TPMは鍵ペアの生成など暗号処理を安全に行う専用ハードウェアであり、鍵ペアの生成が主な機能です。
- 根拠:TPMは秘密鍵を安全に保管し、外部に漏れないように設計されているため、鍵ペアの生成と管理に特化しています。
- 差がつくポイント:TPMは証明書の発行やネットワーク通信機能は持たず、共通鍵交換もTPM間で直接行うものではありません。
正解の理由
TPMはPC内部に組み込まれたセキュリティチップで、暗号鍵の生成・保管・利用を安全に行うことができます。特に鍵ペア(公開鍵と秘密鍵)の生成はTPMの基本機能であり、秘密鍵は外部に出ることなくTPM内に保持されます。これにより、暗号化や署名の安全性が確保されます。選択肢イの「鍵ペアの生成」がTPMの代表的な機能であるため正解です。
よくある誤解
TPMはディジタル証明書の発行やネットワーク経由の通信機能を持つと誤解されがちですが、これらは認証局や通信プロトコルの役割です。
解法ステップ
- TPMの役割を理解する(暗号鍵の安全な生成・保管・利用)
- 選択肢の機能がTPMの役割に合致するか検討する
- 鍵ペアの生成はTPMの基本機能であることを確認する
- 他の選択肢(証明書発行やネットワーク通信)はTPMの機能外と判断する
- 正解を「鍵ペアの生成(イ)」と決定する
選択肢別の誤答解説
- ア: TPM間の共通鍵の交換
TPMは鍵の生成や保管は行いますが、TPM同士で直接共通鍵を交換する機能はありません。共通鍵交換はプロトコルやソフトウェアの役割です。 - イ: 鍵ペアの生成
TPMの代表的な機能であり、秘密鍵を安全に生成・保管します。正解です。 - ウ: ディジタル証明書の発行
証明書の発行は認証局(CA)が行うもので、TPMは証明書の保管や鍵管理はしますが発行はしません。 - エ: ネットワーク経由の乱数送信
TPMは乱数生成機能を持ちますが、ネットワーク経由で乱数を送信する機能はありません。
補足コラム
TPMはセキュリティの根幹を支えるハードウェアモジュールで、OSやアプリケーションから独立して動作します。これにより、マルウェアなどから鍵を守り、信頼できるプラットフォームの構築に寄与します。WindowsのBitLockerやLinuxのTrusted Computingなどで活用されています。
FAQ
Q: TPMはどのように秘密鍵を守るのですか?
A: TPM内に秘密鍵を格納し、外部に鍵を出さずに暗号処理を行うため、秘密鍵の漏洩リスクを低減します。
A: TPM内に秘密鍵を格納し、外部に鍵を出さずに暗号処理を行うため、秘密鍵の漏洩リスクを低減します。
Q: TPMはソフトウェアとどう違いますか?
A: TPMは専用ハードウェアであり、ソフトウェアよりも安全に鍵管理や暗号処理を行えます。
A: TPMは専用ハードウェアであり、ソフトウェアよりも安全に鍵管理や暗号処理を行えます。
関連キーワード: TPM, セキュリティチップ, 鍵ペア生成, 暗号化, ハードウェアセキュリティモジュール