情報処理安全確保支援士試験 2011年 春期 午前216


ルータで接続された二つのセグメント間でのコリジョンの伝搬とブロードキャストフレームの中継について、適切な組合せはどれか。
選択肢画像
(正解)

解説

ルータで接続された二つのセグメント間でのコリジョンの伝搬とブロードキャストフレームの中継について【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ルータはコリジョンを伝搬させず、ブロードキャストフレームも中継しない機器であるため、正解は「伝搬しない・中継しない」です。
  • 根拠:ルータはOSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)で動作し、異なるセグメント間の衝突ドメインを分割し、ブロードキャストドメインも分割するためです。
  • 差がつくポイント:スイッチやハブとの違いを理解し、コリジョンの伝搬とブロードキャストの中継の区別を正確に把握することが重要です。

正解の理由

ルータは物理層やデータリンク層の信号を直接中継せず、パケット単位で処理します。
そのため、同一セグメント内で発生するコリジョンはルータを越えて伝搬しません。
また、ルータはブロードキャストドメインを分割するため、ブロードキャストフレームも別セグメントに中継しません。
この特徴から「コリジョンの伝搬しない」「ブロードキャストフレームの中継しない」が正しい組み合わせとなります。

よくある誤解

ルータはブロードキャストを中継しないため、スイッチやハブと混同して「中継する」と誤解されやすいです。
また、コリジョンの伝搬についても、物理的に接続されているだけで伝搬すると誤認されることがあります。

解法ステップ

  1. コリジョンの伝搬範囲を理解する(コリジョンは同一セグメント内のみ)。
  2. ルータの役割を確認し、異なるセグメント間での信号の中継方法を把握する。
  3. ブロードキャストフレームの中継範囲を理解し、ルータがブロードキャストドメインを分割することを確認。
  4. 選択肢の内容とルータの特性を照らし合わせて正しい組み合わせを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:「コリジョンが伝搬し、ブロードキャストも中継する」はハブの特徴でありルータには当てはまりません。
  • イ:「コリジョンが伝搬し、ブロードキャストは中継しない」は存在しない組み合わせで、コリジョン伝搬は物理層の特性でありブロードキャスト中継とは無関係です。
  • ウ:「コリジョンは伝搬しないがブロードキャストは中継する」はスイッチの特徴に近いですが、スイッチはブロードキャストを中継しますがコリジョンは分割します。
  • エ:「コリジョンは伝搬しない、ブロードキャストも中継しない」はルータの正しい動作を示しています。

補足コラム

ルータはネットワーク層で動作し、IPアドレスを基にパケットの経路選択を行います。
これにより、異なるネットワーク間の通信を可能にし、コリジョンやブロードキャストの影響範囲を限定します。
一方、スイッチはデータリンク層で動作し、MACアドレスを基にフレームを転送しますが、ブロードキャストは中継します。
ハブは単純なリピータであり、コリジョンもブロードキャストも伝搬します。

FAQ

Q: ルータはなぜブロードキャストを中継しないのですか?
A: ルータは異なるネットワーク間の通信を制御し、ブロードキャストドメインを分割することで不要なトラフィックの拡散を防ぐためです。
Q: スイッチとルータの違いは何ですか?
A: スイッチは同一ネットワーク内でMACアドレスを基にフレームを転送し、ブロードキャストは中継します。ルータは異なるネットワーク間でIPアドレスを基にパケットを転送し、ブロードキャストは中継しません。

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