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情報処理安全確保支援士試験 2011年 春期 午前2 問20
通信プロトコルで使用するデータ形式を記述するための記法であって,SNMPのパケットの符号化に利用されているものはどれか。
ア:ASN.1(正解)
イ:JSON
ウ:SGML
エ:SOAP
解説
通信プロトコルで使用するデータ形式を記述するための記法であって,SNMPのパケットの符号化に利用されているものはどれか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:SNMPのパケット符号化にはASN.1が使われており、通信プロトコルのデータ形式記述に最適です。
- 根拠:ASN.1は抽象的なデータ構造を定義し、BERなどの符号化ルールで実際のバイト列に変換可能な標準規格です。
- 差がつくポイント:JSONやSOAPは主にWeb系のデータ交換に使われ、SGMLは文書構造の記述に特化しているため、通信プロトコルの符号化には不向きです。
正解の理由
ア: ASN.1はAbstract Syntax Notation Oneの略で、通信プロトコルで使用するデータ構造を形式的に記述するための国際標準規格です。SNMP(Simple Network Management Protocol)はネットワーク管理用のプロトコルであり、そのパケットの構造をASN.1で定義し、BER(Basic Encoding Rules)などの符号化ルールでバイト列に変換して送受信します。これにより、異なるシステム間でのデータ交換が正確かつ効率的に行えます。
よくある誤解
JSONやSOAPはWebサービスでよく使われるため、通信プロトコルの符号化にも使われると思われがちですが、SNMPのような低レベルのネットワーク管理プロトコルではASN.1が標準です。
解法ステップ
- 問題文から「通信プロトコルのデータ形式記述」と「SNMPのパケット符号化」に注目する。
- 各選択肢の特徴を整理する(ASN.1は通信プロトコル向け、JSONは軽量データ交換、SGMLは文書構造、SOAPはWebサービス)。
- SNMPの仕様を思い出し、ASN.1が使われていることを確認する。
- よって正解はアのASN.1と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: ASN.1
正解。通信プロトコルのデータ構造記述と符号化に最適な国際標準規格。SNMPで利用される。 - イ: JSON
軽量なデータ交換フォーマットでWeb系で多用されるが、SNMPの符号化には使われない。 - ウ: SGML
文書の構造を記述するためのマークアップ言語であり、通信プロトコルの符号化には不適。 - エ: SOAP
Webサービスのメッセージ交換プロトコルでXMLベース。SNMPのパケット符号化には使われない。
補足コラム
ASN.1はOSI基本参照モデルの通信プロトコル設計において重要な役割を果たし、BER、DER、PERなど複数の符号化ルールが存在します。SNMP以外にもX.509証明書やLDAPなど多くのプロトコルで利用されています。
FAQ
Q: ASN.1はどのようにデータを符号化するのですか?
A: ASN.1で定義したデータ構造をBERやDERなどの符号化ルールに従ってバイト列に変換し、通信に適した形式にします。
A: ASN.1で定義したデータ構造をBERやDERなどの符号化ルールに従ってバイト列に変換し、通信に適した形式にします。
Q: JSONとASN.1はどちらが優れているのですか?
A: 用途が異なります。JSONは人間に読みやすくWeb向け、ASN.1は通信プロトコルの厳密なデータ定義と符号化に適しています。
A: 用途が異なります。JSONは人間に読みやすくWeb向け、ASN.1は通信プロトコルの厳密なデータ定義と符号化に適しています。
関連キーワード: ASN.1, SNMP, 通信プロトコル, データ符号化, BER, ネットワーク管理