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情報処理安全確保支援士試験 2011年春期午前2 問24

(1)~~(4)はある障害の発生から本格的な対応までの一連の活動である。(1)~~(4)の各活動とそれに対応するITILの管理プロセスの組合せのうち、適切なものはどれか。

　（1）利用者からサービスデスクに“特定の入力操作が拒否される”という連絡があったので、別の入力操作による回避方法を利用者に伝えた。　（2）原因を開発チームで追究した結果、アプリケーションプログラムに不具合があることが分かった。　（3）障害の原因となったアプリケーションプログラムの不具合を改修する必要があるのかどうか、改修した場合に不具合箇所以外に影響が出る心配はないかどうかについて、関係者を集めて確認し、改修することを決定した。　（4）改修したアプリケーションプログラムの稼働環境への適用については、利用者への周知，適用手順及び失敗時の切戻し手順の確認など、十分に事前準備を行った。

ア：（正解）

イ：

ウ：

エ：

解説

ITILの管理プロセスと障害対応活動の組合せ【午前2 解説】

要点まとめ

結論：障害対応の各段階はITILの「インシデント管理」「問題管理」「変更管理」「リリース管理及び展開管理」に対応し、順序も重要です。
根拠：インシデント管理は利用者の問い合わせ対応、問題管理は根本原因の追究、変更管理は改修の承認、リリース管理は改修の適用準備を担います。
差がつくポイント：各活動の役割を正確に理解し、ITILプロセスの特徴と対応関係を混同しないことが合格の鍵です。

正解の理由

(1) 利用者からの問い合わせに対し回避策を案内するのは「インシデント管理」の役割です。
(2) 原因調査を行い根本原因を特定するのは「問題管理」です。
(3) 改修の必要性や影響を関係者で検討し決定するのは「変更管理」です。
(4) 改修プログラムの適用準備や周知、手順確認は「リリース管理及び展開管理」が担当します。
これらの対応が選択肢アの組合せと一致するため正解です。

よくある誤解

インシデント管理と問題管理を混同し、原因調査をインシデント管理と考える誤りが多いです。変更管理とリリース管理の役割も混同しやすいので注意が必要です。

解法ステップ

各活動の内容を読み取り、どのITILプロセスに該当するかを判断する。
インシデント管理は利用者対応、問題管理は原因調査、変更管理は改修決定、リリース管理は適用準備と認識する。
選択肢の組合せと照合し、各段階のプロセスが正しく対応しているか確認する。
順序や役割の整合性を最終チェックし、最も適切な選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

ア：正解。各活動とITILプロセスの対応が正確で順序も適切。
イ：リリース管理と変更管理の順序が逆で、改修決定と適用準備の役割が混同されている。
ウ：インシデント管理と問題管理の役割が逆転しており、原因調査がインシデント管理になっている誤り。
エ：問題管理とインシデント管理の順序が不適切で、リリース管理と変更管理も逆になっている。

補足コラム

ITIL（Information Technology Infrastructure Library）はITサービス管理のベストプラクティス集であり、サービスの安定運用を支える管理プロセス群を体系化しています。インシデント管理はサービスの迅速な復旧を目指し、問題管理は根本原因の解決を追求します。変更管理はリスクを抑えた改修を保証し、リリース管理は改修の安全な展開を支援します。これらのプロセスを正しく理解することは、ITサービス運用の品質向上に不可欠です。

FAQ

Q: インシデント管理と問題管理の違いは何ですか？
A: インシデント管理はサービスの中断や障害に対する迅速な対応を行い、問題管理はその障害の根本原因を調査し恒久的な解決を目指します。

Q: 変更管理とリリース管理はどう違いますか？
A: 変更管理は改修の承認や計画を管理し、リリース管理は改修プログラムの配布や適用を実施・管理します。

Q: ITILの管理プロセスは必ず順序通りに進むのですか？
A: 基本的には順序があるものの、状況に応じて並行して進むこともあります。ただし役割の区別は明確です。

関連キーワード: ITIL, インシデント管理, 問題管理, 変更管理, リリース管理, サービスデスク, 障害対応

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