情報処理安全確保支援士試験 2012年 秋期 午前217


ネットワークを構成する装置の用途や機能に関する記述のうち,適切なものはどれか。
ゲートウェイは,主にトランスポート層以上での中継を行う装置であり、異なったプロトコル体系のネットワーク間の接続などに用いられる。(正解)
ブリッジは,物理層での中継を行う装置であり,フレームのフィルタリング機能をもつ。
リピータは,ネットワーク層での中継を行う装置であり,伝送途中で減衰した信号レベルの補正と再生増幅を行う。
ルータは,データリンク層のプロトコルに基づいてフレームの中継と交換を行う装置であり,フロー制御や最適経路選択などの機能をもつ。

解説

ネットワークを構成する装置の用途や機能に関する記述【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ゲートウェイはトランスポート層以上で異なるプロトコル間の接続を行う装置であり、正しい説明はアです。
  • 根拠:OSI参照モデルの層ごとの機器の役割を理解し、各装置の機能範囲を区別することが重要です。
  • 差がつくポイント:物理層からアプリケーション層までの各装置の中継範囲と機能の違いを正確に把握しましょう。

正解の理由

アの「ゲートウェイは主にトランスポート層以上での中継を行い、異なったプロトコル体系のネットワーク間の接続に用いられる」という説明は正確です。ゲートウェイは異なるネットワークプロトコルを相互変換し、異種ネットワーク間の通信を可能にします。これはOSI参照モデルのトランスポート層以上の処理を含むため、アが正解です。

よくある誤解

ブリッジやルータの機能を物理層やデータリンク層の範囲外で誤解しやすい点に注意が必要です。リピータの役割も信号の再生増幅に限定され、ネットワーク層の処理は行いません。

解法ステップ

  1. 各装置の主な機能と対応するOSI参照モデルの層を確認する。
  2. ゲートウェイはトランスポート層以上で異なるプロトコル間の変換を行うことを理解する。
  3. ブリッジはデータリンク層でフレームのフィルタリングを行う装置であることを確認する。
  4. リピータは物理層で信号の再生増幅を行う装置であることを把握する。
  5. ルータはネットワーク層でパケットの経路選択を行う装置であることを押さえる。
  6. 選択肢の記述と照らし合わせて正誤を判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。ゲートウェイはトランスポート層以上で異なるプロトコル間の接続を行う装置。
  • イ: 誤り。ブリッジは物理層ではなくデータリンク層でフレームの中継とフィルタリングを行う。
  • ウ: 誤り。リピータは物理層で信号の再生増幅を行い、ネットワーク層の処理はしない。
  • エ: 誤り。ルータはネットワーク層でパケットの中継と経路選択を行い、データリンク層のフレーム処理はスイッチやブリッジが担当する。

補足コラム

ネットワーク機器はOSI参照モデルの各層に対応して役割が異なります。物理層のリピータは信号の増幅、データリンク層のブリッジやスイッチはフレームの中継、ネットワーク層のルータはパケットの経路選択、トランスポート層以上のゲートウェイは異なるプロトコルの変換を行います。これらの違いを理解することがネットワークの基礎知識として重要です。

FAQ

Q: ゲートウェイはどのような場面で使われますか?
A: 異なるネットワークプロトコルを持つシステム間の通信を可能にするために使われます。例えば、IPネットワークと異なるプロトコルのネットワーク間の接続です。
Q: ブリッジとスイッチの違いは何ですか?
A: ブリッジは小規模なネットワークの分割に使われ、スイッチは複数のポートを持ち高速なフレーム転送を行う進化版のブリッジです。
Q: ルータはどの層の装置ですか?
A: ネットワーク層の装置で、IPアドレスを基にパケットの経路選択を行います。

関連キーワード: ゲートウェイ, ブリッジ, リピータ, ルータ, OSI参照モデル, ネットワーク装置, プロトコル変換, 信号再生, 経路選択
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ