情報処理安全確保支援士試験 2012年 秋期 午前224


ソフトウェア開発・保守の工程において,リポジトリを構築する理由として,最も適切なものはどれか。
各工程で検出した不良を管理することが可能になり、ソフトウェアの品質分析が容易になる。
各工程での作業手順を定義することが容易になり,開発・保守時の作業ミスを防止することができる。
各工程での作業予定と実績を関連付けて管理することが可能になり、作業の進捗管理が容易になる。
各工程での成果物を一元管理することによって、開発・保守作業の効率が良くなり,用語の統一もできる。(正解)

解説

ソフトウェア開発・保守におけるリポジトリ構築の理由【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:リポジトリは各工程の成果物を一元管理し、作業効率と用語統一を実現するために構築する。
  • 根拠:成果物の集中管理により情報の散逸を防ぎ、チーム間の共有や再利用が容易になるため。
  • 差がつくポイント:リポジトリは不良管理や作業手順管理ではなく、成果物の管理と共有に特化している点を理解すること。

正解の理由

リポジトリはソフトウェア開発・保守の各工程で作成される成果物(設計書、ソースコード、ドキュメントなど)を一元的に管理するための仕組みです。これにより、情報の散逸を防ぎ、チーム全体での共有や再利用が容易になります。また、用語やフォーマットの統一も促進され、開発・保守作業の効率化に直結します。したがって、選択肢エの「各工程での成果物を一元管理し、効率向上と用語統一を図る」が最も適切です。

よくある誤解

リポジトリは不良管理や作業手順の定義に使うものではなく、成果物の管理に特化しています。進捗管理や品質分析は別の管理ツールや手法が用いられます。

解法ステップ

  1. 問題文の「リポジトリを構築する理由」に注目する。
  2. リポジトリの基本的な役割を思い出す(成果物の一元管理)。
  3. 選択肢を「不良管理」「作業手順管理」「進捗管理」「成果物管理」の観点で分類する。
  4. リポジトリの役割に合致する選択肢を選ぶ。
  5. 用語の統一や効率化もリポジトリの効果として理解する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 不良管理はバグトラッキングシステムの役割であり、リポジトリの主目的ではない。
  • イ: 作業手順の定義はプロセス管理やマニュアル整備の範囲で、リポジトリとは異なる。
  • ウ: 進捗管理はプロジェクト管理ツールが担うため、リポジトリの機能とは異なる。
  • エ: 各工程の成果物を一元管理し、効率化と用語統一を実現するため、正解。

補足コラム

リポジトリはバージョン管理システム(GitやSVNなど)を用いて構築されることが多く、ソースコードの変更履歴管理も兼ねています。これにより、過去の状態への復元や変更差分の確認が容易になり、チーム開発の信頼性が向上します。

FAQ

Q: リポジトリとバグトラッキングシステムは同じですか?
A: いいえ。リポジトリは成果物の管理、バグトラッキングは不良の管理に特化しています。
Q: リポジトリは進捗管理にも使えますか?
A: 直接の進捗管理は難しく、進捗管理は別のツールや手法で行うのが一般的です。

関連キーワード: リポジトリ, 成果物管理, バージョン管理, ソフトウェア開発, 保守効率, 用語統一
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ