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情報処理安全確保支援士試験 2012年 春期 午前2 問13
迷惑メールの検知手法であるベイジアンフィルタリングの説明はどれか。
ア:信頼できるメール送信元を許可リストに登録しておき, 許可リストにない送信元からの電子メールは迷惑メールと判定する。
イ:電子メールが正規のメールサーバから送信されていることを検証し、 迷惑メールであるかどうかを判定する。
ウ:電子メールの第三者中継を許可しているメールサーバを登録したデータベースに掲載されている情報を基に, 迷惑メールであるかどうかを判定する。
エ:迷惑メールを利用者が振り分けるときに, 迷惑メールの特徴を自己学習し、迷惑メールであるかどうかを統計的に解析して判定する。(正解)
解説
迷惑メールの検知手法であるベイジアンフィルタリングの説明はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ベイジアンフィルタリングは迷惑メールの特徴を統計的に学習し判定する手法です。
- 根拠:利用者が迷惑メールを振り分けることで特徴語の出現確率を計算し、メールの迷惑度を推定します。
- 差がつくポイント:単なる送信元の信頼性やサーバ情報ではなく、メール本文の内容を確率的に解析する点が特徴です。
正解の理由
選択肢エは、ベイジアンフィルタリングの本質を正確に表しています。ベイジアンフィルタリングは、迷惑メールと正常メールの特徴語の出現頻度を統計的に学習し、メール本文の単語の組み合わせから迷惑メールである確率を計算します。利用者が迷惑メールを振り分けることでフィルタが自己学習し、判定精度が向上する仕組みです。これにより、新たな迷惑メールのパターンにも柔軟に対応可能です。
よくある誤解
ベイジアンフィルタリングは送信元の信頼性やメールサーバの情報を基に判定するものではありません。内容の統計的解析に基づくため、送信元情報だけで迷惑メールを判定する方法とは異なります。
解法ステップ
- 問題文の「ベイジアンフィルタリング」のキーワードに注目する。
- ベイジアンフィルタリングの基本原理「確率的学習・判定」を思い出す。
- 各選択肢の説明が「統計的解析」か「送信元情報」かを比較する。
- 統計的に迷惑メールの特徴を学習し判定する説明が正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 許可リスト(ホワイトリスト)方式であり、ベイジアンフィルタリングとは異なります。
- イ: 正規メールサーバの検証はSPFやDKIMなどの技術で、ベイジアンフィルタリングではありません。
- ウ: 迷惑メール中継サーバのデータベース参照はDNSBLなどの手法で、ベイジアンフィルタリングとは別です。
- エ: 迷惑メールの特徴を自己学習し統計的に解析するベイジアンフィルタリングの正しい説明です。
補足コラム
ベイジアンフィルタリングはトーマス・ベイズの確率論に基づく手法で、迷惑メールの単語出現確率を用いてメールの迷惑度を計算します。学習データが増えるほど判定精度が向上し、スパムメールの多様化にも対応しやすいのが特徴です。近年は機械学習やディープラーニングと組み合わせた高度な迷惑メール検知も進んでいます。
FAQ
Q: ベイジアンフィルタリングはどのように学習するのですか?
A: 利用者が迷惑メールや正常メールを振り分けることで、そのメールに含まれる単語の出現頻度を集計し、確率モデルを更新します。
A: 利用者が迷惑メールや正常メールを振り分けることで、そのメールに含まれる単語の出現頻度を集計し、確率モデルを更新します。
Q: ベイジアンフィルタリングは送信元の情報を使いますか?
A: いいえ、主にメール本文の単語の出現確率を用いて判定し、送信元情報は直接利用しません。
A: いいえ、主にメール本文の単語の出現確率を用いて判定し、送信元情報は直接利用しません。
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