情報処理安全確保支援士試験 2013年 秋期 午前203


共通鍵暗号方式で、100人の送受信者のそれぞれが、相互に暗号化通信を行うときに必要な共通鍵の総数は幾つか。
200
4,950(正解)
9,900
10,000

解説

共通鍵暗号方式での鍵の総数計算【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:100人が相互に通信する場合、必要な共通鍵の総数は4,950個です。
  • 根拠:共通鍵暗号は通信相手ごとに1つの鍵が必要で、鍵の数は組み合わせの数に相当します。
  • 差がつくポイント:鍵の数は「順序を考慮しない組み合わせ」で計算し、100×992=4,950\frac{100 \times 99}{2} = 4,950となる点を理解することです。

正解の理由

共通鍵暗号方式では、通信を行う2者間で1つの鍵を共有します。100人全員が互いに通信する場合、鍵は「100人から2人を選ぶ組み合わせの数」だけ必要です。順序は関係ないため、組み合わせの公式 (1002)=100×992=4,950\binom{100}{2} = \frac{100 \times 99}{2} = 4,950が適用されます。したがって、正解はイ: 4,950です。

よくある誤解

鍵の数を単純に人数の2倍や人数の2乗と考え、10,000や9,900と答えてしまうことがあります。順序を考慮しない組み合わせである点を忘れないようにしましょう。

解法ステップ

  1. 問題の人数(100人)を確認する。
  2. 共通鍵暗号は2者間で1つの鍵を共有することを理解する。
  3. 必要な鍵の数は「100人から2人を選ぶ組み合わせの数」であると認識する。
  4. 組み合わせの公式 (n2)=n×(n1)2\binom{n}{2} = \frac{n \times (n-1)}{2}を適用する。
  5. 100×992=4,950\frac{100 \times 99}{2} = 4,950を計算し、答えを導く。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 200
    100人の2倍で計算しているが、鍵は通信相手ごとに必要なので誤り。
  • イ: 4,950
    正解。組み合わせの数として正しい。
  • ウ: 9,900
    順序を考慮した場合の数(100×99)であり、同じ鍵を2回数えているため誤り。
  • エ: 10,000
    100人全員が自分自身と通信する場合も含めた100×100の数であり、自己通信は鍵不要なので誤り。

補足コラム

共通鍵暗号方式は鍵管理が大きな課題です。参加者が増えると鍵の数が急増し、管理が困難になります。これに対し公開鍵暗号方式は鍵の数が参加者数に比例するため、大規模な通信には適しています。

FAQ

Q: なぜ順序を考慮しないのですか?
A: 鍵はA→BもB→Aも同じ鍵を使うため、順序は意味を持ちません。
Q: 自己通信に鍵は必要ですか?
A: 自己通信は暗号化通信の対象外なので鍵は不要です。

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