情報処理安全確保支援士試験 2013年 秋期 午前208


DMZ上のコンピュータがインターネットからのpingに応答しないようにファイアウォールのルールを定めるとき、“通過禁止”に設定するものはどれか。
ICMP(正解)
TCPのポート番号21
TCP及びUDPのポート番号53
UDPのポート番号123

解説

DMZ上のコンピュータがインターネットからのpingに応答しないようにファイアウォールのルールを定めるとき、“通過禁止”に設定するものはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ping応答を遮断するにはICMPを通過禁止に設定する必要があります。
  • 根拠:pingはICMPプロトコルのエコー要求・応答メッセージを利用しているため、ICMPを遮断すれば応答しません。
  • 差がつくポイント:TCPやUDPの特定ポートを遮断してもpingは止まらず、ICMPの役割を正確に理解しているかが問われます。

正解の理由

pingはネットワークの疎通確認に使われるICMP(Internet Control Message Protocol)のエコー要求(Echo Request)とエコー応答(Echo Reply)メッセージを送受信します。
したがって、DMZ上のコンピュータがインターネットからのpingに応答しないようにするには、ファイアウォールでICMPパケットの通過を禁止する必要があります。
TCPのポート21(FTP)、TCP/UDPのポート53(DNS)、UDPのポート123(NTP)はpingとは直接関係がありません。

よくある誤解

pingはTCPやUDPの特定ポート番号に関係すると誤解されがちですが、実際はICMPプロトコルの一種であり、ポート番号は存在しません。

解法ステップ

  1. pingの動作原理を理解する(ICMPのエコー要求・応答を利用)。
  2. ファイアウォールで遮断すべきプロトコルを特定する(ICMP)。
  3. 選択肢の中からICMPを選ぶ。
  4. TCPやUDPのポート番号はpingに影響しないことを確認する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ICMP
    → 正解。pingはICMPのエコー要求・応答で動作するため、ICMPを遮断すれば応答しません。
  • イ: TCPのポート番号21
    → FTPの制御用ポートであり、pingとは無関係です。遮断してもping応答は止まりません。
  • ウ: TCP及びUDPのポート番号53
    → DNSのポート番号で、名前解決に使われます。pingには影響しません。
  • エ: UDPのポート番号123
    → NTP(時刻同期)用のポートであり、pingとは関係ありません。

補足コラム

DMZ(非武装地帯)は外部ネットワークと内部ネットワークの間に設置される中間ゾーンで、外部からのアクセスを制御するためにファイアウォールルールが重要です。
ping応答を禁止することで、ネットワークの存在を隠蔽し、攻撃者によるスキャンを防ぐ効果があります。
ただし、ICMPを完全に遮断するとネットワーク障害の診断が難しくなるため、運用ポリシーに応じて適切に設定しましょう。

FAQ

Q: pingはどのプロトコルを使っていますか?
A: ICMP(Internet Control Message Protocol)を使い、エコー要求と応答で通信確認を行います。
Q: TCPやUDPのポート番号を遮断すればpingは止まりますか?
A: いいえ。pingはポート番号を使わないICMPプロトコルのため、TCP/UDPのポート遮断では止まりません。
Q: DMZでpingを遮断するメリットは何ですか?
A: ネットワークの存在を隠し、攻撃者によるスキャンや攻撃のリスクを減らせます。

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