情報処理安全確保支援士試験 2013年 秋期 午前210


利用者PCがボットに感染しているかどうかをhostsファイルで確認するとき、設定内容が改ざんされていないと判断できるものはどれか。ここで、hostsファイルには設定内容が1行だけ書かれているものとする。
選択肢画像
(正解)

解説

hostsファイルの改ざん確認で感染判定する方法【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:hostsファイルに「127.0.0.1 localhost」の設定があれば改ざんされていないと判断できる。
  • 根拠:localhostは利用者PC自身を示し、ループバックアドレス127.0.0.1に正しく紐づくのが正常な設定だから。
  • 差がつくポイント:OSやソフト提供元のFQDNを127.0.0.1に割り当てるのは不自然で、ボット感染時の改ざん例として多い点を理解すること。

正解の理由

hostsファイルはドメイン名とIPアドレスの対応を記述し、通常「127.0.0.1 localhost」という設定が必須です。localhostは自分自身のPCを指す名前であり、これが正しく設定されていればhostsファイルの基本的な改ざんはされていないと判断できます。一方、OS提供元やPC製造元、ウイルス定義ファイル提供元のFQDNを127.0.0.1に割り当てるのは不自然で、マルウェアが外部通信を遮断するために改ざんする典型例です。したがって、選択肢エの「127.0.0.1 localhost」が正解です。

よくある誤解

「127.0.0.1に任意のFQDNがあれば正常」と誤解しがちですが、localhost以外の外部提供元ドメインをループバックに設定するのは改ざんの可能性が高いです。

解法ステップ

  1. hostsファイルの役割を理解する(ドメイン名とIPアドレスの対応付け)。
  2. 127.0.0.1はループバックアドレスで自分自身を指すことを確認。
  3. localhostは必ず127.0.0.1に割り当てられている正常設定と覚える。
  4. OSや製造元など外部提供元のFQDNが127.0.0.1に設定されている場合は改ざんの疑いが強いと判断。
  5. 問題文の選択肢と照合し、正常な設定を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:「127.0.0.1 a.b.com」はOS提供元のFQDNであり、通常は外部IPを指すため改ざんの疑いがある。
  • イ:「127.0.0.1 c.d.com」はPC製造元のFQDNで、これも外部サーバーのためループバックに設定するのは不自然。
  • ウ:「127.0.0.1 e.f.com」はウイルス定義ファイル提供元のFQDNで、感染時に通信遮断目的で改ざんされやすい。
  • エ:「127.0.0.1 localhost」は利用者PC自身を示す正しい設定であり、改ざんされていない。

補足コラム

hostsファイルはOSの名前解決の初期段階で参照され、DNSサーバーに問い合わせる前に優先的に使われます。マルウェアは外部通信を遮断するためにhostsファイルを改ざんし、特定のドメインを127.0.0.1に向けてアクセス不能にすることがあります。localhostの設定が消えたり変更されたりすると、PCの正常動作に支障が出るため、改ざんの有無を確認する重要なポイントです。

FAQ

Q: なぜlocalhostは必ず127.0.0.1に設定されている必要があるのですか?
A: localhostは自分自身のPCを指す名前で、ループバックアドレス127.0.0.1に対応付けることでネットワーク機能の基本動作を保証します。
Q: hostsファイルの改ざんはどのように検知できますか?
A: 正常な設定と異なるIPアドレス割り当てや、外部提供元のFQDNが127.0.0.1に設定されている場合は改ざんの疑いがあります。

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