情報処理安全確保支援士試験 2013年 秋期 午前213


迷惑メールの検知手法であるベイジアンフィルタリングの説明はどれか。
信頼できるメール送信元を許可リストに登録しておき、許可リストにないメール送信元からの電子メールは迷惑メールと判定する。
電子メールが正規のメールサーバから送信されていることを検証し、迷惑メールであるかどうかを判定する。
電子メールの第三者中継を許可しているメールサーバを登録したデータベースに掲載されている情報を基に,迷惑メールであるかどうかを判定する。
利用者が振り分けた迷惑メールから特徴を学習し,迷惑メールであるかどうかを統計的に解析して判定する。(正解)

解説

迷惑メールの検知手法であるベイジアンフィルタリングの説明はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ベイジアンフィルタリングは利用者の振り分けた迷惑メールの特徴を学習し、統計的に判定する手法です。
  • 根拠:ベイズの定理を用いてメールの単語や特徴の出現確率を計算し、迷惑メールかどうかを推定します。
  • 差がつくポイント:単純な許可リストや送信元検証ではなく、メール内容の特徴を学習し続ける点がベイジアンフィルタの特徴です。

正解の理由

選択肢エは「利用者が振り分けた迷惑メールから特徴を学習し、迷惑メールかどうかを統計的に解析して判定する」とあり、これはベイジアンフィルタリングの本質を正確に表しています。ベイズの定理に基づき、メール内の単語やフレーズの出現頻度を元に迷惑メールの確率を計算し、判定を行うため、利用者のフィードバックを活用して精度を向上させることが可能です。

よくある誤解

ベイジアンフィルタリングは単に送信元の信頼性をチェックするものではなく、メール本文の内容を統計的に解析する手法です。許可リストや送信元検証とは異なります。

解法ステップ

  1. 問題文の「ベイジアンフィルタリング」のキーワードに注目する。
  2. ベイズの定理を利用した統計的解析であることを思い出す。
  3. 各選択肢の説明が送信元の検証か内容の解析かを区別する。
  4. 内容の特徴を学習し判定する説明が正解であると判断する。
  5. 選択肢エが該当するため、これを正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 許可リストによる送信元の判定はホワイトリスト方式であり、ベイジアンフィルタリングとは異なります。
  • イ: 正規メールサーバからの送信検証はSPFやDKIMなどの認証技術であり、内容解析ではありません。
  • ウ: 第三者中継サーバの情報を基に判定するのはブラックリスト方式で、ベイジアンフィルタリングとは異なります。
  • エ: 利用者の振り分けた迷惑メールから特徴を学習し、統計的に解析して判定するため正解です。

補足コラム

ベイジアンフィルタリングは、メール本文の単語やフレーズの出現頻度をベイズの定理に基づいて計算し、迷惑メールである確率を推定します。利用者が迷惑メールを振り分けることで学習データが増え、判定精度が向上します。近年は機械学習やディープラーニングを用いた手法も増えていますが、ベイジアンフィルタは基本的かつ効果的な手法として広く使われています。

FAQ

Q: ベイジアンフィルタリングはどのように学習するのですか?
A: 利用者が迷惑メールや正常メールを振り分けることで、その特徴(単語の出現頻度など)を統計的に蓄積し、判定モデルを更新します。
Q: ベイジアンフィルタリングは送信元の情報を使いますか?
A: 基本的にはメール本文の内容を解析しますが、送信元情報は別の技術(SPFやDKIM)で検証されます。

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