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情報処理安全確保支援士試験 2013年 秋期 午前2 問17
LANの制御方式に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア:CSMA/CD方式では,単位時間当たりの送出フレーム数が増していくと、衝突の頻度が増すので,スループットはある値をピークとして,その後下がる。(正解)
イ:CSMA/CD方式では,一つの装置から送出されたフレームが順番に各装置に伝送されるので,リング状のLANに適している。
ウ:TDMA方式では,伝送路上におけるフレームの伝搬遅延時間による衝突が発生する。
エ:トークンパッシング方式では,トークンの巡回によって送信権を管理しているので,トラフィックが増大すると,CSMA/CD方式に比べて伝送効率が急激に低下する。
解説
LANの制御方式に関する問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:CSMA/CD方式は送信フレーム数が増えると衝突が増え、スループットはピーク後に低下します。
- 根拠:CSMA/CDは衝突検出型のアクセス制御で、送信競合が多いほど再送が増え効率が落ちるためです。
- 差がつくポイント:各制御方式の特徴と適用環境、衝突の発生メカニズムを正確に理解することが重要です。
正解の理由
アの「CSMA/CD方式では、単位時間当たりの送出フレーム数が増すと衝突頻度が増え、スループットはピーク後に下がる」は正しいです。CSMA/CDは送信前にキャリア検知を行い、衝突が起きると再送を試みます。送信要求が多いと衝突が頻発し、再送が増えてネットワーク効率が低下します。これによりスループットは一定の負荷までは増加しますが、その後は逆に減少します。
よくある誤解
CSMA/CDはリング状LANに適していると誤解されがちですが、実際はバス型やスター型のイーサネットに適用されます。トークンパッシング方式はトラフィック増加時も安定した効率を保ちます。
解法ステップ
- 各制御方式の基本動作を確認する(CSMA/CD、TDMA、トークンパッシング)。
- CSMA/CDの特徴として衝突検出と再送の仕組みを理解する。
- 衝突が増えるとスループットがどう変化するかをイメージする。
- 選択肢の記述と照らし合わせて正誤を判断する。
- 他の方式の特徴と適用環境も確認し、誤った記述を排除する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。CSMA/CDの衝突増加によるスループットのピークと低下を正しく説明。
- イ: 誤り。CSMA/CDはバス型やスター型LAN向きで、リング状LANにはトークンリング方式が適している。
- ウ: 誤り。TDMAは時間割り当て方式で衝突は基本的に発生しない。伝搬遅延による衝突はCSMA/CDの問題。
- エ: 誤り。トークンパッシング方式はトラフィック増加時も効率が安定し、CSMA/CDより急激に低下しない。
補足コラム
CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collision Detection)はイーサネットの基本的なアクセス制御方式です。送信前にキャリアを検知し、衝突があれば即座に検出して再送を行います。一方、トークンパッシング方式はトークンという送信権を順番に回すため、衝突が起きず安定した通信が可能です。TDMAは時間を区切って送信権を割り当てる方式で、主に無線通信で使われます。
FAQ
Q: CSMA/CD方式で衝突が増えると何が起きますか?
A: 衝突が増えると再送回数が増え、ネットワークのスループットが低下します。
A: 衝突が増えると再送回数が増え、ネットワークのスループットが低下します。
Q: トークンパッシング方式はどんな環境に適していますか?
A: トークンパッシングはトラフィックが多い環境でも安定した通信が必要なリング型LANに適しています。
A: トークンパッシングはトラフィックが多い環境でも安定した通信が必要なリング型LANに適しています。
Q: TDMA方式で衝突は発生しますか?
A: 基本的に発生しません。時間を区切って送信権を割り当てるため、同時送信が避けられます。
A: 基本的に発生しません。時間を区切って送信権を割り当てるため、同時送信が避けられます。
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